3・11 大震災から2年被災地は今
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20キロメートル圏外となる市の北部では、やっとがれき処理が始まりましたが、放射能の除染はほとんど進んでいません。焼却できるがれき処理には大型の仮設焼却場が必要ですが、まだその場所も正式決定していません。
農地復活に向けて草刈り作業をする農家のみなさん(南相馬市提供) |
さらに深刻なのが、除染の遅れです。20キロメートル圏内は国が、圏外は国が自治体に委託して除染することになっていますが、南相馬市ではどちらもゼネコンの竹中工務店に“丸投げ”されており、地元経済の再建にはつながっていません。放射性廃棄物については、最終処分場はおろか、中間貯蔵施設も決まっておらず、仮置き場すら面積の1割分しか確保できていないという現状です。
水稲は2011年、12年に続いて、13年も市の全域で作付けできないことになりました。それでも少なくない農家が試験栽培に取り組むことになっています。
マスコミなどでは原発事故被災地を忘れ去るような姿勢が見えます。また原発再稼働を狙う策動も強まっています。
南相馬市議会は、「浪江・小高原発建設を中止し、県内全ての原発の廃炉を求める決議」と、「原発再稼働に反対する決議」を、全会一致で議決しています。
復旧・復興の基本は、市民の暮らしと生業を取り戻すことです。道路や建物をもとに戻したり、復興の“証拠”のような施設をつくることではありません。全市民が戻り、暮らすことのできる南相馬市に、そして戻る環境が整うまで避難し続けるすべての市民に寄り添った政治が求められています。
[2013年3月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
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