「農民」記事データベース20130204-1055-10

“農民連あってよかった”
未来をつくる大きな力に
(4/5)

農民連第20回定期大会の発言から

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三陸沿岸漁業の復興めざし
漁民の要求きき実現へ奮闘(文書発言)

岩手県漁民組合相談役 佐藤 照彦さん

 東日本大震災で、岩手県の漁村と沿岸漁民は壊滅的な被害を受けました。漁港や魚市場、製氷工場、水産加工場が破壊され、漁民の大半が住家、漁船、漁具、倉庫、エサの保管施設、冷蔵庫を失いました。ワカメ、コンブ、カキ、ホタテなどの養殖施設を流失しました。震災直後から、全国の農民連のみなさんからご支援や激励をいただき、心から感謝しています。

 震災後、復旧・復興をめざす漁民の動きに、大きな変化が生まれました。漁協の組合員はそれほど減っていないのに、実際に漁業に従事する漁民が大幅に減ったことです。

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2012年1月22日、山田町で結成総会。前列左端が佐藤照彦さん

 「このままでは三陸沿岸漁業の将来はない! なんとかしなければ」と思い、不満を訴えて立ち上がった漁民の要求を取り上げ、漁民と対話し、行政に要求をぶつけて実現するたたかいを起こしました。

 このたたかいのなかから、「行政や漁協にすがるだけではダメだ。みずからの要求を実現するためには、漁民が力をあわせてがんばらなければならない」と訴え、漁民組合を結成しました。そして、農民連のみなさんと東北農政局交渉を行い、国会議員や政府に漁民の声を直接訴える活動を行ってきました。

 また、昨年8月には、海の県議会といわれる海区漁業調整委員選挙に組合長の蔵徳平さんが立候補し、みごと当選することができました。

 漁民組合がめざしている活動は、大きく3つです。一つは、漁業ができる環境を整え、所得向上をめざす運動です。2つ目は、漁民の声を大事にする漁協運営の民主化をめざす運動です。3つ目は、強く大きな漁民組合をめざす運動です。

 現在、漁民組合には、沿岸12の自治体中、7つの自治体に約70人の組合員がいます。多くのみなさんからのご支援が、組合員の拡大にも大きな力になりました。大会議案には「漁民会員の組織化を踏まえた漁民対策を強化します」とあります。たいへん心強く思います。ぜひ、漁民の対策会議やシンポジウムなどを行ってほしいと思います。

 私は、漁民組合の生みの親として、また総会で選出された相談役として、全力で漁民組合を支え、漁民のための三陸沿岸漁業の復興をめざしてがんばる決意です。

(新聞「農民」2013.2.4付)
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2013年2月

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