「農民」記事データベース20120312-1012-10

TPP反対の一点で
国民的共闘の大きな波を
(3/4)

関連/TPP反対の一点で国民的共闘の大きな波を(1/4)
  /TPP反対の一点で国民的共闘の大きな波を(2/4)
  /TPP反対の一点で国民的共闘の大きな波を(3/4)
  /TPP反対の一点で国民的共闘の大きな波を(4/4)


雇用の安定を逆行させ、
貧困・格差広げるTPP

全労連・事務局長 小田川 義和

 自由貿易進んで国内の雇用喪失

画像 全労連は、菅前首相がTPP参加を決定しようとした2010年11月に「反対」の談話を出し、みなさんとともに運動を進めてきました。また国際的には、TPP参加国のうちベトナムとブルネイを除く7カ国の労働組合(ナショナルセンター)が、2010年3月に「(労働者の権利や公共サービスなど)交渉の全過程を雇用のレンズを通して検証するよう求める」という内容の「共同宣言」を発表しました。

 自由貿易が進めば雇用が広がり、労働条件がよくなったのか。WTO(世界貿易機関)が発足した1995年以降2010年までに、労働者の年収は53万円も減少し、年収200万円以下の階層が5%も増加し、貧困と格差が広がっています。その最大の原因は、労働者派遣法の相次ぐ改悪による非正規労働者の増大です。

 2002年のシンガポールとのFTAから2国間の自由貿易協定が進められていますが、日本経済は成長を取り込めたのでしょうか。実際には、企業の海外進出が加速され、国内の雇用が失われています。特に自動車産業は、海外で生産して日本に逆輸入し、国内生産への影響はマイナス24兆円とも言われています。

画像
「力を合わせて断念させよう」と農水省前で集会を開く全国食健連(2月10日)

 関係国の労組と情報交流を強め

 また、2006年には広島市と埼玉県の下水処理場の運転・維持管理の業務をフランスの多国籍企業が受託しましたが、政府調達の緩和によっていっそう公務の民営化・民間化が進められる危険があります。

 TPP参加を政府に強く要求している財界は、同時に雇用・労働の規制緩和も要望し、最大の労働組合(ナショナルセンター)である「連合」は、「野田総理の判断は是」として、たたかいを放棄しています。

 全労連は、TPP反対の一点でさらに国民共同の前進をめざし、「安定・良質な雇用と社会保障拡充による安定社会」の対案を示しながら、関係国の労働組合とも情報の交換・交流を進め、野田政権を追い詰めていく決意です。

(新聞「農民」2012.3.12付)
ライン

2012年3月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2012, 農民運動全国連合会