「農民」記事データベース20120312-1012-09

TPP反対の一点で
国民的共闘の大きな波を
(2/4)

関連/TPP反対の一点で国民的共闘の大きな波を(1/4)
  /TPP反対の一点で国民的共闘の大きな波を(2/4)
  /TPP反対の一点で国民的共闘の大きな波を(3/4)
  /TPP反対の一点で国民的共闘の大きな波を(4/4)


食の安全を脅かすTPP
消費者の利益にならない

主婦連・会長 山根 香織

画像 なぜいま、TPPに日本が飛び込む必要があるのか、消費者としてまったくわからないし、あってはならない、とんでもないことだと思います。

 食糧不足のとき海外依存は危険

 主婦連にも経産省など政府の方が説明にきましたが、「日本に不利にならないようにする」「アメリカもそんなに無理な要求はしてこないと思う」などと、まったく説明になっていませんでした。私たちは「コンクリートから人へ」「国民生活が第一」を掲げた民主党に、一人ひとりの暮らしを守るあたたかい政治を期待したのに、野田内閣はまったく逆の方向にいこうとしています。

 異常気象による食料不足などを見ても、「食」を海外に依存することはたいへん危険であり、今後ますます深刻になる問題だと考えます。国民への食糧の安定供給は政府の責務です。TPP参加は日本の農林水産業に打撃を与え、食料自給率を急速に低下させ、消費生活に深刻な影響を与えます。食の安全管理と品質の確保、安全・安心な食生活の実現には、日本農業の再生へ向けた施策の実現こそ、消費者目線にかなうものです。「安い輸入食品が入ってくるので、消費者はうれしいのでは」と言われたりもしますが、とんでもないことです。

画像
会場から発言する新潟県農民連の今井健さん

 消費者の知る権利奪うTPP

 多くの消費者団体は、食の安全基準が緩和されるのではないかと、たいへん心配しています。TPP参加によって、食品添加物の承認手続きの簡素化や、遺伝子組み換え食品・バイオテクノロジー食品、ポストハーベスト(収穫後)農薬などの基準や表示義務の制度が、貿易を阻害するものとして改悪される可能性があります。

 私たち消費者は、安全性が確立していない食品に「ノー」という権利があるはずです。少なくとも表示などによって商品を判別でき、選択できる必要があります。安全基準の緩和は、消費者にとって大きな不利益であり、受け入れられるものではありません。食の安全を脅かし、消費者の知る権利を奪うTPP参加には反対です。

 社会の平等や健康のためのルールが、経済のために緩和を強要されることがあってはならないと思います。人が人として大切にされる社会をつくるためにも、大震災・原発事故からの復旧・復興のためにも、日本がTPPに参加しないよう、ともに声をあげていきましょう。

(新聞「農民」2012.3.12付)
ライン

2012年3月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2012, 農民運動全国連合会