食糧主権、アジアの経済と
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日本でのTPPをめぐる議論と同様に、メキシコでもNAFTA加入時には“経済が発展する” “雇用が増える”と宣伝されました。しかし、加入後の2009年の経済成長率はラテンアメリカで最下位に落ち、雇用者数も減り、農産物の貿易赤字は20億ドルから60億ドルに拡大し、食料輸入は4倍に激増、農業人口は300万人も減ってしまいました。
ALBAのもう一つの特徴が、加盟国間で互いに足りないものを補い合う相互補完性です。たとえば石油資源のない国にベネズエラから石油を輸出する際に、支払いを長期猶予したり低利子にするなどです。でもベネズエラは、こうした資金力で他国に干渉したり、立場を押し付けたりしたことは一度もありません。
TPP、FTAAはなぜ良くないのか。経済協力のオルタナティブとしてあるべき姿を考えてみると、まず重要なのは、市場万能主義はもうだめだということです。市場万能主義の新自由主義はもう世界中で破たんしています。加盟国間の、そして国民間の連帯と協力こそが必要だと思います。
それから重要なのが、相互補完性です。中小企業、農業を守らなければいけません。連帯と協力を理念にしたALBAでも、各国の食糧主権を守り、食料自給率の向上を掲げています。
貧富の差が一方的に開いていくのは、持続的な社会ではありません。母なる大地を大切にして、次の世代に継承していくことが必要です。「TPPで第3の開国をする」などと言わずに、私たちの経済成長の考え方、生活を根本から変えていくところに、経済統合のあるべき姿があるのではないでしょうか。
[2011年10月]
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