食糧主権、アジアの経済と
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日本とのEPAでは、日本からゴミとか廃棄物がタイに持ち込まれるのではないかと懸念されています。その中には核廃棄物も含まれています。もうひとつは、介護の分野で日本とタイとの間で競合がおこるのではないかと懸念されています。
中国とのFTAではニンニクの値段が35%も下落し、7万人もの農家が影響を受けています。赤タマネギも50%値段が下がって、4万5000世帯の収入が落ち込みました。農産物の価格下落は、中国からの安い農産物の輸入によってもたらされ、2300万人の農民に影響が及んでいます。また、アメリカやEUの企業が種子の分野に参入してきたら、タネの値段が30%あがり、最高で4000%もあがるかもしれないと言われています。
2006年には、チェンマイで3万人の集会を行い、WTOの香港行動に学んでいろいろなパフォーマンスを行いました。私たちのスローガンは「ストップFTA! 国の民営化ストップ! 公正な経済をつくろう!」です。
過去の経験から学んだことは、経済の発展で利益を得るのは一握りの部分だということです。私たちは、貿易を否定するものではありません。ただ私たちは、公正な貿易を求めます。公正というのは、生産者だけでなく消費者にとっても公正でなければなりません。
オルタナティブ(代案)な貿易のひとつが、タイの農民と市民社会組織がいっしょになって取り組んでいるフェアトレードです。農民が生産した有機米を、ヨーロッパのフェアトレードを通じて輸出しています。もうひとつは、ローカルマーケットとグリーンマーケットという取り組みです。これは、急速にタイ国内に広がっています。25年ほど前に、タイの農家が持続可能で環境に配慮した農業をめざし、農薬の使用量を減らし、一部の農家は有機栽培を始めました。そしてその販売がローカルマーケットとグリーンマーケットです。このような努力には、政府からはいっさい支援を受けていません。
すべて私たちがたたかいのなかで勝ち得たものです。このような小さな取り組みでも、徐々に社会的な資本となることを学びました。今後もこのような取り組みで連帯・共同の行動をおこし、そのなかでオルタナティブを発展させていきましょう。
私たちは誰かにたよることはできません。自分の力でたたかわなければなりません。もしたたかわなければ、あとは死を待つのみです。みなさん、ぜひ私たちとともにたたかい続けましょう。
[2011年10月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
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