「農民」記事データベース20100201-910-09

“変革の時代”を切り開く
農業・農山村を再生する
国民運動と、強固な組織づくりを(4/4)

2010年1月18日 農民連常任委員会

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III 組織づくりの方針について

 第18回大会で決めた、(1)会員では2002年の過去最高現勢を1日も早く回復し、全国的には農家戸数の2%、販売農家の約3%の世帯会員をめざす。すでに基準を超えている組織は、さらに高い目標をもって前進する。(2)新聞「農民」では3万部の峰を突破し、すべての組織が会員数の1・5倍の読者をもつ―という方針を再度確認し、全力をあげましょう。

(1)大きな志をもった2年〜3年の組織づくり計画をもって

 1、到達点に即して現状を突破する組織戦略をもって

 農民連を結成して20年、多くの組織が量・質ともに格段の前進をとげているものの、組織づくりを軌道に乗せられない組織があったり、一定の峰をつくったものの様々な理由で組織を後退させている組織も少なくありません。また、組織づくりで牽引車の役割を果たしてきた組織でも、その後の前進がつくれない状況があります。

 今日の情勢は、農民連が現状を大きく打ち破り、その役割を発揮することを求めており、それぞれの組織が飛躍に転化する組織戦略をもつことが必要です。

 (1)全県を網羅する単組づくりと、支部を軸にした組織へ、空白地域の克服計画をもって
 全県の網羅と守備範囲を明確にした単組を確立し、役員と事務局体制を確立すること、支部を確立し日常的に集まって要求運動を推進することが、この間の重要な教訓です。この視点を組織戦略の柱にした計画をつくりましょう。

 広大な空白地域に組織を作ることは、組織戦略の重要な柱です。新聞読者や地域の民主的な運動を担っている人、団体の協力をあおぐことなど、地域の条件や農家の要求を踏まえて、どんな要求で働きかけるのかなどを明確にして計画的に取り組みましょう。

 (2)都道府県連体制の確立と活動家の養成
 高齢化などによって弱まっている都道府県連と単組の組織体制を強化するため、若手の活動家を育てて抜擢することや、民主的な運動に関わってきた定年退職者などに協力をあおぐことなど、課題を明確にし、集中して対策をとりましょう。

 若手の活動家を養成することは待ったなしの課題です。東海ブロックでは月2回、若手の専従者などが参加して学習会や交流を行い、喜ばれています。この経験に学んで各地で実践しましょう。

 2、農業・食糧を守る共同運動の発展と要求運動の前進と結んだ組織づくりを

 価格保障の実現や農産物の輸入自由化に反対する運動、地域を活性化する運動を、広範な農業・業界団体、市民団体と共同して展開し、信頼と共感、結びつきを広げることが会員・読者を拡大する土台となります。また、農民の切実な要求をとらえて、すべての農民に日常的に働きかけることも重要です。

 こうした視点と目的意識的な拡大の努力を結んで前進の展望を切り開きましょう。

(2)「春の大運動」で会員拡大の飛躍を

 1、確定申告の運動に出足早く取り組もう

 仲間を紹介したくなるような全会員規模の集まりを開き、税金や米問題などの学習を深めましょう。一人が一人を誘って参加しようと呼びかけましょう。きめ細かな相談会を計画しましょう。そのためにチラシや音の出る宣伝、生産組織などへの申し入れなどを強めましょう。都道府県連は、役員と協力して「臨時専従」の配置など特別の体制をとり、「春の大運動」を成功させましょう。

 2、準産直米の取り組みと会員拡大

 米流通の激変が続くもとで、販路を求める稲作農家の要求に応える準産直米の取り組みを、税金闘争と並ぶ「春の大運動」として位置づけ、会員拡大を前進させましょう。

(3)「農民」読者の拡大

 農協や農業委員会、自治体関係者、団体への購読の呼びかけを強めましょう。会員に依拠し、1部、2部の拡大を訴えるとともに、拡大目標に見合った「拡大チャレンジャー」を組織しましょう。「全員購読が原則」の立場から未講読会員をなくすための具体的な手立てをとりましょう。産直組織とその会員への購読呼びかけを強めましょう。

 農業経営に役立つ情報の発信と、農と食を守る国民合意と共同運動の前進、組織の裾野を広げる運動に役立つ紙面に改善するため努力を強めます。また、身近な紙面にするための通信の強化、地方組織や会員が紙面づくりに参加できるような手立てを検討します。

(4)財政について

 1、本部財政の状況について

 本部財政は、全国の奮闘による滞納額の圧縮や、経費節約の努力を行ってきたものの、08年度、09年度と連続して赤字となるなど厳しい状況となっています。都道府県連も会員や読者の減少などから財政が圧迫されている組織が少なくなく、組織を財政面から強化する取り組みが重要課題となっています。こうした中で、昨年春から「米価闘争資金」づくりに初めて取り組みました。

 2、財政を確立するために

 財政確立のためのポイントとして、(1)経常経費を会費と新聞の購読料でまかなうことを基本に、最大の財源づくりである会員・読者拡大を飛躍させ、産直などの事業への過度な依存を改める、(2)運動のなかで財源を作ることを基本に、資材の大量普及や募金など、あらゆる運動に財政確立の観点を貫くことが重要です。

 また、第18回定期大会で提案した「会費制」への移行については、(1)7段階の現勢区分で負担金を算出してきたこれまでの分担金制を3段階の会費制に改める、(2)厳しい本部財政を打開し、組織と運動を支えるための財源を確保することを基本に、全国的な組織論議を1年間おこない、次期大会で確定します。

(5)全国研究交流集会を開催します

(6)青年対策について

 後継青年を確保・育成する課題は、農業再生と運動・組織の両面から、引き続き重要で緊急な課題です。組合員の子やがんばっている青年、新規就農の青年への働きかけを強め、次期大会までにすべての都道府県連と主要な単組、産直組織に青年部の確立をめざしましょう。結成した地域では、県連や全国連の青年部に結集しましょう。第18回青年部総会を成功させて前進の契機にしましょう。都道府県連と単組に青年担当を配置しましょう。

(7)がんばる女性の農民連への結集と女性部づくり

 生産の先頭に立つ女性を結集することは地域農業を元気にし、農民連運動の発展・強化にとって重要な課題です。女性部が呼びかけた「9条花壇」運動が階層を越えて広がるなど、女性の要求と権利、平和を守る分野で女性部が重要な役割を担っています。農業に関わる要求はもとより、健康、介護、子育てなど、多面的な要求を大切にした取り組みを進め、女性の地位向上を要求する運動を広げましょう。世帯会員の6割を目標に女性会員の登録を進め、すべての都道府県と単組で女性部を確立しましょう。都道府県連に女性役員や女性事務局員を配置しましょう。

 過去最高の200人規模の参加をめざして準備している第21回女性部総会を成功させ、農民連への結集と女性部の運動を前進させる契機にしましょう。

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(新聞「農民」2010.2.1付)
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2010年2月

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