「農民」記事データベース20090406-871-08

日韓農民交流

アジア地域のネットワークの始まり(2/4)

千葉県の農村を視察

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香取市佐原の朝市

多彩な品ぞろえに驚き

“小規模農家も取り組める”

 3月22日は千葉県の農村視察。香取市佐原の朝市見学からスタートしました。

 佐原の朝市は、佐原駅北口の公民館駐車場で毎週日曜日、農民連会員を中心に、近隣の農家20軒ほどが自家産の米や野菜、卵、花、漬け物などの加工品を持ちより、朝7時にいっせいに店開きします。観光地のような華やかさはありませんが、待ちかまえていた地元の常連客らが目当ての「店」に詰めかけて買い物を済ませ、1時間ほどで閉店になります。

 韓国代表団一行は、さっそくそれぞれに店を巡りはじめ、出店者のおじさん、おばさんにすすめられて漬け物や揚げもちなどを試食。そのうちに草もちや卵などを自分たちで買い求め、分け合って味わう姿が見られました。玄米粉ケーキの店では、「作り方を教えてほしい」と弟子入りを志願したものの、「長年かかって開発した“企業秘密”なので、簡単には教えられない」と断られる一幕もありました。

 朝食後、佐原農民組合の香取和典組合長、朝市組合の林縫右衛門組合長と懇談。地域の農業や農家経営の実情、農民組合の組織と活動、農協との関係などについて次々に質問し、香取組合長らの説明にうなずきながら、熱心にメモをとっていました。朝市については、「生産者と消費者の新しい出会いの場として、韓国でもヒントになる」「もっと大規模なものを想像していたが、これなら小規模の農家やお年寄りでも取り組める」などの感想が出されました。


多古町旬の味産直センター

事業の成功のカギは?

実践的な質問が次つぎに

 佐原を後にした一行は、多古町旬の味産直センターに向かいました。

 まず、同センターが消費者との交流拠点としてつくった施設「しんのみくうかん」で見学を兼ねて昼食。センターの組合員が生産したお米のご飯、野菜の天ぷらやいため物、地元の名物・祭り寿司などはどれも好評で、おかわりをする人が相次ぎました。

 センター本部では、野菜ボックスの出荷作業などを見学。案内役の職員に「何種類くらい入れるのか」「野菜が余ってしまうことはないのか」などと尋ねながら、施設や作業風景を写真に収めていました。

 続いて、同センターの事業内容や、中小農家の販路確保をめざした設立の経過などについて、監事の椎名義光さんから説明を受けました。韓国側からは、「生産者の組織化にはどんな工夫をしているか」「商売には専門性が必要なのではないか」など、実践的な質問が出され、椎名さんは「消費者側の運動と提携していくことが成功のカギ」などと説明しました。

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産直ボックスの視察は、最大の関心事の1つでした(多古町旬の味産直センター)

 農民連会員の地方議員と懇談

 その後、同じ会場で、農民連会員の地方議員との懇談会が行われました。多古町議でもある椎名さんに加え、匝瑳(そうさ)市議の大木傳一郎さん(千葉県農民連会長)も参加して、「農業と議員活動をどう両立させているか」「農業を守るうえで地方自治体の役割は何か」「農民連と政党の関係はどのようなものか」などをテーマに語り合いました。

(新聞「農民」2009.4.6付)
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2009年4月

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