地球を襲う食糧危機の下で大もうけ(2/4)
日本では米大手卸が…「過剰」宣伝が「米不足」で巨利「過剰」「過剰」の大合唱だった〇七年産米。しかし全農は三月で全量 契約済みとし入札も中止に。また大手米卸業者が、三月ころから卸間売買の流れを止めたことがきっかけで「米不足」が表面 化しました。このため、業者間の取引価格がじりじりと上がり、四月に入ると全銘柄が急騰、なかでも新潟コシヒカリは二万二千円台に。ちなみに、全農の新潟米の出荷価格は一万五千円台。通常の卸間売買の利益は一俵三百円ぐらいですから、大手卸はその十倍、二十倍のもうけが可能というわけです。そのうえ、得意先の量販店に安値でどんどん特売させています。 こうしたもうけは、農家には還元されず、中小の卸や米屋さんは「米不足」と価格高騰で大混乱におちいっています。 こうした事態に、小売りの団体である日本米穀小売商業組合連合会(日米連)と卸団体の全国米穀販売事業共済協同組合(全米販)が、政府備蓄米の「売却再開」を求めました。農水省は五月二十七日、政府備蓄米の売却再開を決めました。 〇七年産で過剰といわれたのは二十一万トン、政府が「緊急対策」で買い上げたのは三十四万トン、差し引き十三万トン程度の不足が見込まれていました。これは年間需要量八百三十三万トンのわずか一・五%程度。これで業界あげて「米不足」を訴えたということは、(1)米はもともと過剰ではなかった、(2)一部業者の米ビジネスで米不足と価格高騰を招いた―この二つのいずれかです。 どちらにしても、農水省の責任は重大です。「売却再開」の前に、こうした事態を招いた原因を明らかにして、需給と価格の安定に責任を持つべきです。
(新聞「農民」2008.6.9付)
|
[2008年6月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224
Copyright(c)1998-2008, 農民運動全国連合会