「農民」記事データベース20080128-813-09

第一回全国委員会への報告(4/4)

第17回大会 二〇〇八年一月十六日 農民連常任委員会

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IV 20周年を組織の高揚のなかで迎えよう

〔1〕20周年をどう迎えるか

 1、 組織をあげた拡大運動の飛躍で20周年を迎えよう

 〇九年一月に開く第十八回定期大会は、記念すべき結成二〇周年大会であり、〇八年はその節目に向けて組織を飛躍させる仕上げの年となります。各組織が歴史を振り返り、情勢や農民の要求、組織的到達点を踏まえて、歴史的な二〇周年に向けて飛躍をどうつくるかを討議し組織戦略を持つことを呼びかけます。

 2、 20周年を振り返り、 前進面や教訓に光をあてて

(1) 強大な全国センターの確立にむけた組織的弱点の克服と成果
 農民連の結成は、組織的・財政的に多くの困難を抱えてのスタートでした。米の自由化阻止など農業を守る運動、税金をはじめとした要求運動を旺盛にたたかうとともに、会費、事務所と専従、組織体制、請負を克服する活動の作風など組織的弱点を克服し、近代的で強大な農民運動のセンターを確立するために奮闘してきました。

 そして、二〇〇〇年初頭には会員と新聞「農民」の最高現勢を構築することができました。この前進は、全国センターを確立し、支えるための全国一丸となった奮闘の結果でした。この奮闘は、農政の転換と農民の要求実現、食と農を守る運動の前進に大きく貢献し、結成時に比べて格段に社会的な存在感を増しています。

(2) 農業破壊攻撃を跳ね返し、 地域の生産を担える組織に
 しかし、〇二年をピークに組織の減退傾向が続き、組織の建設は最も遅れた分野となっています。組織の後退は、財政を含めて様々な困難を生み出し、とりくむべき課題に見合う体制が確保できないなどの状況も生まれています。

 また、全国的に産直事業が展開されているもとで、県連ぐるみでとりくまざるを得ない状況があり、事業と運動を両輪にした体制と組織運営の不十分さや、組織拡大が後回しになる傾向も生まれています。

 いま、本部も各県連組織も、「情勢に見合ってなぜ増えないのか。なぜ減ってきたのか。組織を増やそうという意欲はどうであったか。『安住』はなかったか」を冷静に総括し、二〇周年に向けた大志ある計画をもって組織拡大に全力をあげるときです。

〔2〕20周年に向けた組織作りの目標

 1、 過去最高現勢の回復と突破

 会員ではすべての都道府県連が過去最高現勢を回復し、全国的には最高現勢であった二〇〇二年十一月から後退した三千四百二十三世帯を突破することを目標にします。

 新聞「農民」は、過去最高の部数から後退した四千百二十四部を上回ることを目標にします。

 2、 全ての県連組織が県センターにふさわしい組織に

 本部は、都道府県連と協力して個別対策を強めます。その際、組織現勢の大きい組織が、大県連としての自覚と先進的役割を大いに発揮することが特に重要です。

 いま一つは、三百人から五百人の中堅県連の飛躍とともに、組織づくりに成功していない都県連の底上げをはかることです。特に、専従者のいない県連は、県連と一つ以上の単組に専従者を配置できる展望を持つことを目標に、県連が毎月役員会を開催し、農家の要求を出し合い、その実現の方針を具体化するとともに、組織問題を必ず議題にあげ、討議することです。財政問題を抱える組織は、滞納一掃をはじめ、財政を確立する計画を持ちましょう。

〔3〕会員拡大と組織づくりの計画

 1、 「大運動」を大飛躍させよう

(1)「大運動」の目標
  1 20周年拡大目標の半数を
 春の大運動を確定申告と準産直米など生産点からのとりくみの二つに据え、会員と新聞「農民」の二〇周年拡大目標の半数をこの期間にやりきる構えで、都道府県連、単組の目標を明確にしてとりくみましょう。

  2 確定申告の運動に出足早くとりくもう
   イ、元気になる、仲間を紹介したくなる全会員規模の集まりを

 税金を軸に米問題などの学習を深め、農民連の運動の紹介を含め、元気になる集まりを出足早く全会員規模で開き、会員に仲間の紹介を呼びかけましょう。

   ロ、会員を励ましながら無数の税金相談会を

 会員や協力者の力に依拠して、きめ細かく税金相談会を計画しましょう。相談会をチラシや音の宣伝、対話や集荷組織等への申し入れなどで働きかけを強め、確実に成功させましょう。

   ハ、特別体制を確立して

 都道府県連役員は、行動の先頭に立ち単組と一緒に行動しましょう。春の大運動を成功させるために「臨時専従」体制を確立し、集約を強めニュースも発行しましょう。

  3 準産直米の参加と会員拡大
 準産直米を、税金と並ぶ春の大運動の基本要求に位置づけ、会員拡大を前進させましょう。対話や相談会でリーフレットを活用して参加と加入を働きかけましょう。

 2、 空白自治体への組織づくり

 千七百九十八あるすべての自治体での組織確立は、全国センター、県連の重大な課題です。克服する空白自治体の計画を明確にしてとりくみましょう。

 3、 多様な団体、グループの結集、会費問題への対応

 悪政下で苦労している集落営農組織、地域に数多く存在している地産地消組織との対話や交流を深め、要求運動への働きかけを強め、農民連加入を働きかけましょう。

 全国に協同の精神を大切にし、生産と組合員の経営を守って奮闘している農協も少なくありません。こうした農協を結集する日販連との共同を強め、ふるさとネットとの事業提携も進めます。

 漁業の分野も構造改革が推し進められ、漁民の暮らしと経営を守る要求は切実です。漁民を組織の対象に入れた取り組みを進めましょう。

 高齢化や経営の困難から、会費の負担に耐えられないという事例が少なくありません。会員の多様な要求運動への参加を広げ、経営を維持できるよう対策をとるとともに、個別に会費の減免措置も検討しましょう。

 4、 新聞 「農民」の読者拡大

(1) 荷を分かち合い一部、 二部の拡大と力持ち会員の奮闘
 新聞「農民」読者の拡大は、農と食を守る世論を広げ農政を転換させる力です。「農民」がさらに広範な農家や農業関係者、国民の中に広がれば大きな威力を発揮することになります。

 また、「農民」は農民連の運動と組織の裾野を広げる土台であり、財政の根幹でもあります。農家に加入を広く呼びかけ、すぐに加入できない場合でも「農民」の購読で結びつきましょう。役所や農協の役職員、議員、農業委員、流通業者、市民団体構成員など、多様な結びつきのある人たちに気楽に購読を訴えましょう。拡大目標に見合った「拡大チャレンジャー」を広く組織して、読者拡大を飛躍させましょう。

(2) 未購読会員の解消に本腰を入れて
 新聞「農民」の組織的な位置づけは、会員は新聞を購読するというものです。しかし、いまだに一定数の未購読会員が存在していることは猶予のならない課題です。この春、購読していない会員を一人ひとり明らかにして購読の働きかけを行いましょう。

〔4〕青年の結集と青年部づくりに本腰を

 後継青年を確保・育成する課題は農業と運動・組織の両面から引き続き重要な戦略的課題です。

 しかし、後継青年の確保・育成の重要性からみて、青年問題への対応や計画の不十分さを指摘しなければなりません。組合員の子息や頑張っている青年への働きかけを強め、二〇周年までにすべての都道府県連と主要な単組、産直組織に青年部を確立しましょう。

〔5〕女性部の発展、 会員の登録を

 新潟県連での女性部結成、埼玉県連での二つの単組での女性部の誕生、さらにいくつかの県連女性部の再建や結成の動きが広がるなど、運動の前進方向が切り開かれています。また加工交流などの生産、「しわ伸ばし会」(税金)など、多様な要求による楽しい企画や集まりが各地で注目されています。

 多様な「要求小組」を軸に広範な年代層を結集している新婦人の経験にも学んで、年金や福祉、子育て、スポーツや旅行など、多様な要求で集まりを開き、会員拡大や組織登録を広げましょう。

〔6〕20周年記念事業

 二〇周年記念事業として都道府県連、全国委員、常任委員が中心となり、関係者の協力も得て、記念誌「農民連“二〇年のあゆみ”」(仮称)を編さんします。また、二〇周年キャンペーンとして「記念グッズ」を製作、普及し、文化事業や写真、短歌、詩などの募集と顕彰も実施します。

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(新聞「農民」2008.1.28付)
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2008年1月

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