「農民」記事データベース20080128-813-06

第一回全国委員会への報告(1/4)

第17回大会 二〇〇八年一月十六日 農民連常任委員会

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I 情勢について

〔1〕自・公政治の破綻(たん)と、新たな政治を国民的に模索する時代の始まり

 参院選での自民・公明の大敗、安倍政権崩壊は自民党政治の衰退をいっそう鮮明にしました。

 農民連は、財界の要求を最優先して農業破壊を推し進める自民・公明の与党を正面から批判し、農民・国民の要求をもとに農政のあるべき姿を提案してたたかいました。

 農民連の奮闘は、農政への批判を呼び起こし、自民・公明両党に審判をくだす大きな役割を果たしました。

 そして参院選での審判は、福田内閣に構造改革路線の手直しを迫り、国民の運動が政治を動かす新しい状況が生まれています。

 福田内閣はアメリカ言いなりや大企業中心という根本問題にはなんら手をつけようとしていません。さらに自民党と民主党の大連立問題は、二大政党の本性を国民の前にさらけ出し、格差と貧困、憲法や税制など当面する重要問題で同じ土俵にあることを示しました。

 いま、国民は新たな政治の流れと中身を探求しており、政治的激動期を迎えています。解散・総選挙が年内にたたかわれることは必至となっており、農民の要求が反映する国会をつくるために全力をあげることが求められています。

〔2〕国際的食糧危機の進行と、求められる食料自給率を向上させる政策への転換

 1、深刻な世界の食糧

 食料品価格の値上げが相次ぎ、国民生活に深刻な影響をもたらしています。穀物在庫が史上最低を記録し、穀物相場の高騰、農産物輸出を禁止する国が相次いでいます。

 こうした動きの原因は、温暖化や異常気象、発展途上国の経済発展、食糧需要の大幅増加、バイオ燃料ブームにあります。

 金を出せばいつでも食糧を買いあさることができる時代は終わりつつあり、食料自給率がカロリーで三九%、穀物で二七%の日本にとって死活にかかわる事態が進行しています。こうしたもとで、農産物の輸入自由化を推し進め、農業構造改革によって生産を縮小する政策は許されません。

 2、農民と農山村の現状、地域を再生する胎動

(1)農業破壊、農山村切り捨て政治のもとで衰退する地域社会
 農産物の輸入自由化や米価などの農産物価格の低下、三位一体改革、自治体や農協合併による支所廃止や郵政民営化などの悪政が“住めない農山村”に拍車をかけています。

 国土交通省の調査によると、高齢者(六十五歳以上)が半数を占める限界集落が七千八百七十三、すでに集落機能維持が困難になっている集落が二千九百十七、十年以内に消滅の可能性のある集落が四百二十二、「いずれ消滅」する可能性のある集落が二千二百十九となっています。

(2)世論の変化、 農林水産業の振興で地域の再生をはかる動きの広がり
 食料をめぐる事態の悪化と国民生活への影響が顕著になっているもとで、外国への食料依存をさらに強めながら国内農業を縮小する農政への批判がかつてなく高まっています。

 また、地域の条件を生かした助け合いや独自の担い手作り、耕作放棄地対策など、地域農業と農山村を活性化する地域ぐるみのとりくみが各地で展開されていることも大きな特徴です。

 政府と一体になって農業構造改革を推進する農協中央への批判を強め、地域農業の再生と結んで農協経営を維持するために努力する単位農協の動きも注目されます。

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(新聞「農民」2008.1.28付)
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2008年1月

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