世界的視野で食料主権の確立をめざし、
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イ 品目横断的経営安定対策を中止し、すべての農家を対象に価格保障を軸にした経営安定対策を実現すること。
ロ 当面、すべての農家が制度を理解して判断できるようにすると同時に、現場で生まれている矛盾の改善を要求することを、制度そのものを問う運動として重視する。品目横断対策の加入者の要求に耳を傾け、農協などとも共同して政府に改善を要求する。
ハ 加入する条件がないのに無理やり品目横断対策に加入させるのではなく、生産を守ることを最優先した地域ぐるみのとりくみを進める。「集落の助け合い組織」を組織し、安全・安心な生産の拡大、加工や販路の確保など、生活と生産、経済の基盤である集落を守るとりくみを進めること。
〇六年九月からの秋まき小麦に続いて、〇七年四月からは、米を含めた五品目の加入受け付けが始まり、強引な加入押しつけが行われることになります。品目横断対策のねらいや制度の内容を農家に知らせ、すべての地域で学習と話し合いを進めましょう。地方議会での請願運動を強め、農民連会員のいる農業委員会を先頭に「建議」を採択し、自治体や政府への働きかけを強めましょう。都道府県や市町村との交渉、提案を進めましょう。
集落の農地の利用調整だけでは経営を維持できません。加工、地産地消、多様な販路の確保まで視野に入れた「集落助け合い」を農協・自治体ぐるみで推進しましょう。
加入農家も価格下落のもとでは経営を維持することは困難です。要件緩和や共通する要求実現のため共同を広げましょう。
農外の市民を「農業サポーター」として養成して農作業をサポートすること、青年や退職労働者を農山村に迎え入れて農業の担い手になってもらうとりくみなど、各地で担い手を確保するための多様なとりくみが展開されています。こうしたとりくみを全国に広げるとともに、新規参入者の定着を支援する制度も都道府県や市町村に提案しましょう。農民連組織と産直組織が共同して、こうしたとりくみの先頭にたちましょう。
農民連は十五年前から新婦人会員との産直にとりくみ、七年前から準産直米に取り組み、二年前にはふるさとネットも立ち上げて、「もう一つの流れ」を消費者や中小の業者と築いてきました。この間、蓄積してきた経験と実績を今こそ生かすときです。
すべての組織が新たな情勢と「もう一つの流れ」をつくる準産直米の意義を役員会などで議論し、自ら掲げた目標を必ずやりきりましょう。
米を生産しているすべての会員や、つながりのある農家にあと五俵、十俵と運動への参加を呼びかけましょう。地域の生産組織や農協にも準産直米のとりくみへの共同を呼びかけましょう。
〇七年産のとりくみの飛躍をめざし、今から農家、組織ごとの出荷登録(予約)を組織しましょう。
私たちの要求は、せめて水よりは高い米価にしてほしいということであり、稲作農民の「日給」を、せめて地域最低賃金並みにしてほしいということです。かりに現在の最低賃金が保障されれば、米価は生産費をぎりぎり償う一俵(六十キロ)一万八千円弱になり、日給八千円という最賃改善要求にもとづけば約二万円になります。
私たちは、価格保障の復活を要求します。具体的には、暴落が始まった過去五年間の全国平均生産費(一万七千五百四十円)を基準価格とし、農家の手取り価格(指標価格−出荷経費、〇六年産の平均は一万三千八百八十四円)がこれを下回った場合に、すべての販売農家に対し、差額を全額国費負担で「不足払い」することを要求します。
日本の独占禁止法は、「不当な対価をもって取引すること」「自己の取引上の地位を不当に利用して相手方と取引すること」を「不公正な取引方法」として禁止しています(第二条)。明白に生産費を割り込むような農産物価格は「不当な対価」そのものです。現段階で、日本政府が、この条項を農民や中小業者救済のために活用する状況にはありませんが、ルールなき資本主義に対する規制という角度から、せめてフランスが実施している程度の規制を実現し、大資本の買いたたきを規制することを要求します。
農政改革の核心は価格保障廃止であり、その根源は“国産農産物割高”論にあります。しかし「割高」というなら、米やガソリンより高いペットボトル入りのお茶や飲料水こそが超割高です。スイスの大手銀行の調査によると、米一キロ買うのに、世界一の米輸出国であるタイの労働者は二十三分、第三位のインドでは八十九分働かなければなりませんが、日本は十七分です(世界平均は十九分)。また、ビッグマック一個を買うのに、世界平均では三十六分働かなければなりませんが、茶わん十〜十二杯分の米一キロは十九分です。国民の購買力という点からいえば、日本の米は「割高」ではありません。事実をゆがめる宣伝やイデオロギー攻撃に反撃し、異常な農産物価格を是正させる国民的な合意を追求しましょう。
こういう事態を国連機関に提訴し、日本政府への是正勧告を要請することを検討するとともに、内外のマスコミ・世論に広くアピールします。
全中は、こうした攻撃に有効な運動を組織せず、政府と一体になって農業構造改革を推進し、〇六年十月に開かれた第二十四回JA全国大会では、こうした方向をいっそう強く打ち出すとともに、一握りの担い手を中心にした事業展開を進める方針を決めました。
これらは、協同組合の立場を放棄するもので、農家の農協離れにますます拍車をかけ、単位農協の経営を脅かすものです。地域農業と農協経営を守るために懸命にがんばっている単位農協関係者との矛盾の拡大は避けられません。
「米改革」によって農協が〇七年から「生産調整」を担おうとしていることも重大です。本来、生産拡大の担い手である農協が米の減産、生産縮小を推進するのは本末転倒です。生産調整への参加の有無によって組合員への締め付けや差別など、新たな内部矛盾を生み出すことは避けられません。
さらに、農業つぶしの自民党公認の参院比例代表選挙候補に前専務を押し立てて事実上の農協ぐるみ選挙を展開していることも重大です。
農民連は、主人公たる組合員と地域農業を守るために奮闘する農協関係者を激励し、共同のために力をつくします。
食健連運動の原動力は、(1)食と農にかかわる国民要求を実現する先頭に立つとともに、安全な国内産の食の生産・加工、流通、消費の運動を両輪にしてきたこと(2)要求で結集し、幅広い共同のとりくみを広げる努力を一貫して追求してきたこと(3)学習を力に、広く宣伝・対話して国民合意を求めてきたこと(4)食を真ん中にした楽しい企画、文化を大事にしていること(5)国際的な視野で情勢をとらえ、草の根からの運動を展開してきたことなどです。
すべての県と単組に対応した地域食健連づくりを全国で進めましょう。
[2006年11月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
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