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第16回大会

第二回全国委員会への報告(4/4)

二〇〇六年一月十四日 農民連常任委員会

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3 新たな情勢のもとでの組織づくりと新聞「農民」読者拡大の方針

[1]組織づくりの到達点

 第十六回大会決議は、「もう一つの流れ」を拡大するために主体的力をどうつくるかが鋭く問われているとし、農民連が果 たしている役割や期待に比べて小さすぎる組織を飛躍させることは焦眉(しょうび)の課題であると指摘しました。そしてすべての市町村に単組・支部をつくり、地域の生産を担える組織をめざし、次期大会までに会員拡大では組織現勢比で二〇%増、新聞「農民」読者では三万人の峰を一日も早く達成し、五万人をめざして奮闘することをよびかけました。

 この一年、全国的には五百名近い世帯会員を拡大し、十都府県が前年より会員現勢を前進させています。特に、奈良、鹿児島、沖縄などの経験は、組織づくりの戦略をもって持続的に組織的に取り組めば前進できることを示しており、全国的に貴重な教訓です。

 また、昨年暮れに日本販売農業協同組合連合会(構成員数十二万人)が団体加盟しました。農民連がはじめて総合農協を結集したという点で画期的であり、今後、農協組織を含めた多面的な農民の結集に大きな展望を切り開きました。こうした成果の一方で、拡大数を上回る離農などによる退会者があり、二十二道府県が会員現勢を後退させ、全国的には世帯会員で四百名を超える後退となっています。

 新聞「農民」では、一年間に全国で九百人近い読者を増やし、九県が読者現勢を前進させています。昨年七月、全国委員会の責任でお盆までに五百人の読者拡大を呼びかけ、目標達成には至らなかったものの全国委員や都道府県連役員を中心に奮闘し、短期間に三百十五人の読者を拡大することができました。四十六都道府県で成果をあげ、全国的に「一人、二人の読者拡大なら」と力を集中して取り組めば読者拡大は可能であることを示しました。また、「農民」拡大を先行した運動のなかで十五都府県で五十四人の新会員を迎え入れたことも特徴でした。こうした前進の一方で二十三県で読者の減少が拡大数を上回り、全国的には六百人をこえる後退となり、〇五年の目標である三万人読者の峰に到達できないままとなっています。

[2]組織づくりと新聞「農民」読者拡大の方針について

(1)高まる農民連と新聞「農民」の役割

 農業破壊のもとで多くの農家がギリギリの状況まで追い詰められ、農政を変えたいという思いを強めています。また、何をつくるか、販路をどう確保するか、「農業構造改革」のなかで地域農業をどうするか――農民の暮らしと経営、生産、地域農業のあらゆる分野で、今ほど農民連と農家の要求が接近し、農民連がさらに大きな組織となって影響力を発揮することが求められているときはありません。農業団体のなかで農民連との共同に踏み出す動きも広範に生まれています。

 特に、新聞「農民」の読者を、広範な農家や農協・自治体関係者に広げることは特別に重要な意味をもっています。それは、「農業構造改革」が翼賛体制で推進されているもとで、農家の要求や目線で情報を発信する新聞「農民」を五万人、十万人、数十万人に届けることができたら「構造改革」を中止させ、農政を変える大きな力になるからです。農家にとっては経営の判断や展望をつくるうえで欠かせないものであり、それは農民連の運動と組織のすそ野を広げることにもなります。都市の消費者、中小流通業者、生協関係者など広範な国民に購読を広げることは、憲法改悪、増税、農業破壊などの悪政を許さない力をつくることであり、流通を含めた「もう一つの流れ」をつくる展望を切り開きます。新聞「農民」を広げることなくして産直や事業の正しい発展も望めません。こうした農民連の役割や、会員と新聞「農民」読者拡大の意義を深く認識して全力をあげましょう。組織拡大を前進させるうえで、会員現勢が四ケタ前後の県連組織の役割は決定的に重要です。

(2)今年の目標と取り組みの方針について

1、今年の全国的な目標とイメージのわく計画づくりを

 今年の目標として、すべての組織が会員と新聞「農民」読者で前年を上回るとともに、会員拡大では第十六回大会で決めた会員比二〇%増、新聞「農民」読者では、三万人の峰を一日も早く達成し、五万人をめざして奮闘するとともに、すべての組織が会員比で二倍の読者をもつことを全国的な目標とします。また、すべての市町村への支部づくり、専従と事務所をもった単組づくりなど、それぞれの組織が戦略的な計画をもち、確定申告期である一月〜三月を「仲間づくり春の大運動」として集中的に取り組み、飛躍させることをよびかけます。

2、取り組みを前進させるポイント   

(1)読者拡大を先行した拡大運動

 拡大運動は、この間の教訓を踏まえて「農民」読者を先行して取り組みます。会員拡大は生産・販売計画への参加、消費税対策を含めた税金要求を中心に多面 的要求で働きかけましょう。

(2)集まりの定例化と学習

 単組の組合長、支部長、班長の大切な役割は、みんなが集まる段取りをとることです。そして、参加者やまわりの農家が農作業や暮らしのなかで抱えている要求を出し合い、できるところからみんなで協力して解決をめざす活動に踏み出すこと、「農民」も使って、全国や県内の方針、動きを伝えること、要求運動に誘う人や、新聞「農民」を勧める人を出し合うことなどです。会議を定例化し、都道府県連や単組の役員、専従者は会議に参加して計画づくりと行動を共に進めます。

(3)「読者拡大チャレンジャー」の組織と「会員一人紹介運動」の推進

 「拡大チャレンジャー」「会員一人紹介」を組織し、全国的に登録しましょう。本部常任委員、全国委員、都道府県連役員、専従者、産直組織の役職員などは率先して登録し拡大運動の先頭に立ちましょう。

 都道府県連は組織拡大担当者を配置し日常的に運動を推進します。本部は、組織対策の体制と全国への激励、運動の推進を強化し、全国の取り組みや情勢などをニュースで随時、発信します。都道府県連はメールの可能な人のアドレスを本部に登録してください。

3、農民の多面的な結集を

 「農業構造改革」のもとで多数の農家が「担い手」からはずされようとしています。兼業農家や高齢化した農家の生産力を引き出す取り組みは、地域農業の発展にとって決定的に重要です。また、「担い手」になっても経営が守られず、経営と暮らしの様々な要求が発生します。認定農業者や集落営農など「担い手」の経営を守り、生産と販売での結びつきを強め、農民連に結集する取り組みを強めます。農協の事業分割や合併押し付けを許さないための共同を強め、協同を守る農協の自主的な流れとの連帯に力をつくします。

4、女性の要求実現と結集について

 女性の自主性をいかした地産地消、生産や販売要求に基づいて運動を強めます。また健康や介護、子育てなど多面 的な要求運動、憲法や平和を守る運動などを進め、農協女性部など地域の女性生産組織との結びつきを強めます。引き続き、女性会員の登録を進め、すべての都道府県と単組への女性部結成をめざします。

5、青年対策について

 日本農業と農民運動の未来にかかわる後継者対策は、すべての組織に共通 する重要課題です。後継青年と結びつきを広げ、生きがいや悩みを話し合いながら、さまざまな要求運動への参加を呼びかけます。こうした運動を前進させ、すべての組織と単組に青年部を確立しましょう。担い手を確保するために、都市の青年の就農希望を受け入れて支援する制度、新規学卒者への援助など、新規就農者への国・自治体の支援制度を要求して運動を進めましょう。

6、今年の主要な全国的な会議

 会員と「農民」拡大を中心にした運動の節として事務局長・書記長会議(四月)、全国研究交流集会(六月)、専従者研修会、税金、固定資産税などの交流会、研修会を開きます。

7、財政について

 沖縄県連が財政問題を克服して組織づくりに大きく踏み出すなどの前進があるものの、本部財政は、会員や新聞「農民」読者の減少により収入が減少しています。新たに本部への滞納を増やしている組織があることも軽視できません。この間の教訓を生かした厳格な財政運営と、長期にわたる本部への滞納を解決することが重要になっています。該当する県連の特別 の奮起を求めます。会員拡大と新聞「農民」読者拡大が財政強化の最大の保障であることを明確にしてとりくみます。

4 行動綱領の一部改定について

 一年間の討議を踏まえ、第十六回大会で提案した「行動綱領の一部改正案」を今回の全国委員会で採択します。改正された行動綱領を全会員のものとし、これを指針に運動と組織を前進させます。

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(新聞「農民」2006.1.30付)
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2006年1月

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