「農民」記事データベース20041115-660-11

旬の郷土食・伝統食列車

安全安心にこだわって(4/4)

列島東と西で「日本の食」考える集い

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日本で唯一

餅を入れない雑煮

―徳島・東祖谷山村―

 日本では昔から、正月に雑煮を食べていました。雑煮といえば、餅が入っているのがあたり前だと思っていましたが、日本で唯一、餅を入れない雑煮があります。

 それは、徳島県東祖谷山村の雑煮です。ここは四国の真ん中あたり、剣山山系の奥深い山懐に抱かれた人口二千四百人程度の小さな村で、平家伝説が伝わり、日本三秘境の一つにかぞえられています。

 今から約八百年前、安徳天皇にサトイモと大豆を炊いたものを出したところ、「大豆は豆腐にするように」と言われ、この「うちちがえ雑煮」(写真〈写真はありません〉)を正月に出すようになったそうです。豆腐を十字に置くことから、「うちちがえ」と呼ぶと考えられ、サトイモはかしらになるので、「人のかしらになるように」という願いが込められていると言われます。

 近年、そば米を入れている家庭や、サトイモの代わりにジャガイモを入れたり、若い人の家庭では餅を入れるところもあるそうです。

(大道法幸)


〔材料〕豆腐、サトイモ、だし汁、しょうゆ
〔作り方〕
 (1) サトイモの皮をこすってとる。塩を入れてゆで、ゆで汁を捨て、だし汁としょうゆを入れてとろ火で煮る。
 (2) 豆腐は五センチ×十センチ位に切って、だし汁としょうゆで煮る。
 (3) お碗に、サトイモを三個入れて、豆腐をサトイモの上に十字になるようにのせ、汁を注ぐ。
(新聞「農民」2004.11.15付)
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2004年11月

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