「農民」記事データベース20041115-660-08

旬の郷土食・伝統食列車

安全安心にこだわって(1/4)

列島東と西で「日本の食」考える集い

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発祥の地大阪で新たな出発進行

第15号 河内など地元料理43品囲んで

 一九九二年十一月に、「米輸入反対! 日本の農漁業と食文化を守れ」を掲げて、伝統食列車第一号が大阪駅のホームを発車。それから十二年、記念すべき「第十五号列車」が、十月二十九、三十の両日、発祥の地、大阪を会場に開催されました。

 食の安全をめぐってシンポ

 日本の伝統食を考える会の宮本智恵子代表は、開会にあたって「郷土食の底力でこれからの日本の食を切りひらく運動をさらに進めよう」と呼びかけました。

 第一日目は、「『列車』が拓く日本の食」と題してシンポジウム。全国食健連の坂口正明さんが食料自給率向上にむけた取り組みについて、無農薬茶の会の杵塚歩さんがお茶ブームの実情と大手飲料メーカーによる中国茶の大量輸入について、食の安全性研究家の小倉正行さんが食生活からみた輸入食品の実態について、報告しました。

 祭りにかかせぬフナの昆布巻き

 続いて、「大阪の郷土食を囲む交流会」では、大阪各地に伝わる四十三品が紹介されました。河内地方に伝わる五品を用意したのは、「八尾の郷土食を二十一世紀につなぐ実行委員会」のみなさん。「ふなの昆布巻き」は、稲の収穫が終わり、田の水がいらなくなった時期に池の水を抜き、フナをとって昆布で巻いたもので、秋祭りには欠かせなかったそうです。

 また、農事組合法人交流施設組合の北摂地方の郷土食「干ずいきと花豆の煮物」は、田植えや稲刈り時の保存食としてもよく作られました。「大阪にもこんなに郷土食があったのね。さすが日本の台所」、「関西は薄味なんだけど、けっこう濃い味付けね」など、百五十人余りの参加者はその味を堪能していました。

 港見学して輸入食品の実態視察

 二日目は、堺市に古くから伝わる刃物作り(境刃司)と、けずり昆布作り(郷田商店)を見学。その後、農民組合阪南支部協議会の西野恒次郎さんが「どっこい生きている泉州農業」について、また税関行政研究会の福本武さんが「輸入食品の実態・現場からの報告」について講演。続いて泉大津の港を訪れ、野積みした塩蔵ショウガなど、ズサンな輸入現場を視察しました。

(新聞「農民」2004.11.15付)
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2004年11月

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