「農民」記事データベース20041115-660-09

旬の郷土食・伝統食列車

安全安心にこだわって(2/4)

列島東と西で「日本の食」考える集い

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千葉・多古町産直センター

彩り鮮やかな「祝いの膳」

全国から参加 250人が舌つづみ

 「郷土料理を食べよう」「若い人たちに伝えよう」のかけ声のもと、十月三十一日、千葉県香取郡多古町で「多古町を食べる会」が開催されました。主催は、第一回ちば・郷土料理を楽しむ会。会場の多古町旬の味産直センター「しんのみくうかん」に、県内、全国から約二百五十人が集まりました。

●次々卓上に

 多古町が取り組む産直の歴史の紹介と、祝いの歌「大根種・だいこだね」の披露で始まった同会は、再現された祝い膳の説明へと続きます。

 そして、待ちに待った食事は、ちょうど十二時。まず目を引くのは、中心に一輪の花がある大きな太巻き祭りずしです。赤い花びらは赤米で、葉や茎の緑の部分はゆでたホウレンソウで。

 さらに、ゴマメやシイタケ、里イモなど、いろいろな旬のものを使った煮しめや、アジの南蛮漬け、キュウリの酢の物、つきたてのもち、こぶし大の「田舎まんじゅう」やサツマイモようかんなどが、食卓をにぎわします。

●実演に拍手

 地元の人でもめったに食べられない伝統的な郷土料理を口にして、参加者の顔にも笑みがあふれ、会話も自然にはずみます。

 田舎まんじゅうと祭りずしの実演が始まると、すぐに二重、三重の人だかりができました。細い赤米巻きずしを十本つくり、三角に積み上げ、白米、ホウレンソウと一緒に巻くと切断面は見事なブドウの絵柄。周りでみていた人たちから思わず歓声と拍手がわき起こりました。

●消費者と結び

 多古町旬の味産直センター代表の高橋清さんは、「農業活性は地域振興に結びつきます。日本の農業と食を発展させていくには、地域の郷土料理を守っていくことが重要です」と語ります。

 地元で生産された食材を使う郷土料理。新鮮で安全、栄養価も高く、さらにおいしい。生産者の顔がみえ、消費者と生産者を結び、生産者の作る意欲もわいてくる――といいこと尽くしです。

 「心で作り、心で食べることが大切」と多古町で農業を営む椎名正子さん。食べる人を考えて作られた多古町の郷土料理は、舌で味わうおいしさ以上に、込められた生産者の真心が心をうちます。

(新聞「農民」2004.11.15付)
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2004年11月

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