「農民」記事データベース20020304-529-04

日本の畜産守れ BSE(狂牛病)対策法の成立を!

2・22牛と農民の怒りの鎖行動


広がる補償請求運動

農水省包囲「モー、待ったなしだ」

 BSEを引き起こした政府への怒りと被害の全額補償を求める農民の運動が、与党・農水省を追い詰めて、政治を動かしています。

 野党四党がBSE緊急対策法案を国会に提出した二月二十二日、農民連は、四百九十五戸分、十五億五千八百万円の第二次のBSE損害請求書を農水省の梅津準士畜産部長に提出(一次分と合わせると、千百六十六戸、四十億二百万円)。約二百人の農民、労働者、消費者が、群馬、千葉、茨城から連れてきた五頭の牛とともに農水省を包囲して、「日本の畜産をつぶすな」「BSE対策法を成立させろ」とシュプレヒコールを響かせました。

 農民連がリードしてきたこのたたかいが、テレビや新聞に大きく報じられ、全国に運動が広がっています。長野・信濃町のJA畜産部会は、農民連とそっくりの請求書を作って組合員から集めはじめ、エサ屋・仲買人などの関連業者からは「オレたちも請求していいか」と声がかかり、「仲間の農家にも知らせたい」という声も各地で寄せられています。

 また国会では、発生から五カ月経った二月十三日、小泉首相自らがBSEを発生させた政府の責任をようやく認めました。二十二日の行動で、日本共産党の中林よし子・衆院議員は「BSE対策法案をつぶせば、与党は農民を裏切ったことになる」と厳しく指摘。堀之内久男・自民党BSE対策委員長は、要請に対して、「与党がつぶしたと言われたくない」という思いをにじませて、与野党間で調整をはかる意向を表明しました。

 二頭の子牛を連れて行動に参加した千葉・八日市場市の安藤正司さんは「経営の先行きを考えると、この牛をこの場に置いて行きたい気持ちだ」と怒りを表し、「モー怒ったぞ」とゼッケンを背負った廃用牛を連れてきた住谷輝彦・畜全協会長は「この牛は牛舎に入れてもらえず、寒風が吹くなかでつながれている。この事態を一刻も早く解決してほしい」と要望。

 また、「安全な食料を守るために、ともにがんばろう」など、労働者、消費者からも激励と連帯の発言が相次ぎました。

(新聞「農民」2002.3.4付)
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2002年3月

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