「農民」記事データベース20010611-496-03

記帳しないと大変

税金申告が変わり赤字でも黒字に?

=税金申告Q&A=

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●税金の申告が変わるって?

 そう、これまでの税金の役場申告が変わるんです。

 農家の約八割は、役場で行う、面積をもとにした方法で税金を申告しています。この方法が、ここ一〜二年で大幅に変わります。

 今までは、役場で何をどのくらい作ったと言えば、職員が計算してくれたよね(野菜、果樹、畜産などは収入金額)。ところがこれからは、米も含めてすべての耕種で、自分で収入と経費をノートにまとめ、実額で農業所得を計算しなければならないんだよ。

●農民連はどんなやり方?

 農民連は安心・納得の申告運動を進めています。

 農業所得を自分で計算することは、節税はもちろんだけど、自分の経営を数字で押さえるうえでも大事なことです。農民連は、「収入は漏らさず、経費はチリ一つ残さず」を合言葉に、安心・納得の収支計算による申告運動をずーっと前からやっています。これは仲間の援助と、まとめ帳としての税金ノートがあってはじめてできることです。

●収支計算しないとどうなるの?

 やらなきゃ大損さ!

 税務署は収支計算できない人は、“経費標準”(経費の目安)で計算する方針です。いきなり「収支計算をしろ」と言われても、多くの農家はできないので、これによる申告にならざるを得ません。

 “経費標準”は、都道府県ごとに作られ、経営規模や特性、作況、地域の違いを無視したもので、例えば、十ヘクタールの大規模農家も、一ヘクタールの兼業農家も同じ。これで所得(収入―経費標準)が計算されるわけだから…。

●税金を多く払わされるって事?

 その通り。実態が赤字でも、申告は黒字になります。

 低米価によって、水田農家の約九割は赤字。ところが“経費標準”にマイナスはありません。どんなに赤字が出ても必ず「黒字」。しかも、他に所得があれば合算しなければなりません。たとえ控除額が多くて所得税が出なくても、農業所得額は住民税や国保税に連動しますから、ここでも必要以上の税金を払わされる可能性があります。

●税務調査はどうなるの?

 税務調査はやりたい放題。

 申告した収入金額と、税務署がJA、市場を調査した売上額にチョッとでも違いが見つかれば、それを狙った税務調査や呼び出しが情け容赦なくかけられることになります。そのうえ所得税法では、役場申告(住民税のみの申告)は“無申告者扱い”になるので、五年さかのぼって調査を受けることになります。

(新聞「農民」2001.6.11付)
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2001年6月

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