東海・北陸ワイド版(3)石 川
念願の農業始めて4年・野菜部会長の思い石川県連・中村 巌約三十年間、病院の臨床検査に従事しましたが、四年前に退職したのを機会に、新しく六十アールの土地を借りて無農薬農業を始めました。農協のネギ部会に入って、ネギを中心に大根などの野菜、ラッカセイやゴマなども作っています。生家にはごくわずかばかりの田畑があり、子供の頃は田植え、稲刈り、夏は野菜の水かけと家の手伝いをさせられましたが、嫌ではありませんでした。農家を志望しましたが、両親に「田畑も少なく、湿田でいい米は作れない」と反対され進学。しかし病院を退職後、子供の頃の農作業を思い出し、農家として再出発。 現在借りている農地は、砂丘地を水田化し、今は減反で休耕地となっている所で、日照りに水不足、梅雨は冠水しやすく、適地適作とはいえません。はじめはほとんど開墾と言っていいような状態でしたが、無農薬を続けてきたためか排水がよくなってきたようです。化学肥料をなるべく使わず、無農薬での農業に取り組んでいてもっともうれしいのは、農地の土壌が変わっていくこと、できたネギが「おいしい」と言われることです。 初年度は、農協の指導もありネギはそれなりの作りになりましたが、他の野菜は、子供の頃の記憶しかなく失敗の連続でした。そこで「今年こそは」と意気込んで、資材や種子を購入し、準備を進めていたところ、二月になって急きょ町議選に立候補することになり、計画は大幅に狂ってしまいました。今ようやく遅れを取り戻しネギはあと一息となりました。 農民連に入ったのは、農地を借りたばかりの頃、新聞のチラシを見て農民連の収穫祭に行き、知人に誘われたのがきっかけでした。秋を迎えて、石川では野菜産直に出荷する農民を組織しようと、準備を進めています。「直売市を大々的に」「ボックスを豊かに」などを目標に、生産する農民を増やそうと、責任者としてがんばるつもりです。
石川県連産直担当してますスポーツ大好きの中川佐代子さん今年七月から石川農民連に勤め始めた中川佐代子さんを紹介します。仕事の担当は野菜ボックス全般です。これまで農業に関係する仕事はなし、「野菜生産がこんなに大変だとは思わなかった」と、天候をにらみながら毎週の野菜ボックスのメニューを決めるのに悪戦苦闘。 「スーパーの野菜はなんであんなにきれいなんだろう?」との疑問に、「生産者の気持ちがわかるには、自分でも作ってみたら?」と組合員からすすめられ、みずから小松菜、チンゲンサイなどの種まきをして、朝必ず畑に通う毎日です。 もともと消費者の立場から農業を見つめていた中川さん。スキー仲間のなかに農民連の会員がいたのがきっかけで、「大それた気持ちもなく、働き始めたんです」と言い、「生産者の側に立てるようになりました」と力むことなく話します。
目下の苦労はボックス通信の執筆。「早く自分の言葉で農政のことも書けるようになりたいんですけど」と中川さん。実践を通して結論を探しています。
(新聞「農民」1999.10.11付)
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