全国研究交流集会・特別報告「必ずやりきる」を合言葉に新聞「農民」拡大で目標達成秋田県連/佐藤長右衛門
秋田県農業の実態は農業所得に占める米の割合が七〇%で、米の関税化の問題は即秋田県の農家にとって致命的打撃を受け、深刻な事態になるという問題意識が私たちにはありました。 農繁期だが役員が先頭に立ってその第一は、全組合員が新聞「農民」を購読することです。秋田県連は千名弱の組合員ですが、七割近くの人しか購読していないという現状でした。二月十八日に第一回目の常任委員会を開き、機関紙拡大の事務局担当者や役員が一人三部をやろうと決めました。また県連役員は出身単組と共同で取り組み、十日ごとに節目を設け、連絡を取り合い、報告し合って、それをまとめて単組に報告するようにしました。これを繰り返しやり、機関紙拡大推進ニュースで経験などを載せて励ましました。 しかし、三月末までの三百部の目標に対して百四十二部しか出来ず役員会で議論しました。四月、五月になると農繁期に入るので、「拡大月間をやめようか」という意見も出されました。
ここで私たちが学んだのは、新聞「農民」に出た福島・須賀川農民連の「決めたことは必ずやりきる」という記事です。農繁期で大変でしたが、拡大月間を二カ月延長して三百部をやることを再確認して頑張り、五月末に千部を達成。これが秋田でもやればできるという確信になっていきました。 真実伝える「農民」の役割実感第二は、新聞「農民」の影響力の大きさです。農協が自民党農政の下請けになっている。その農協の機関紙である「日本農業新聞」が真相を伝えず、農民をあざむく報道姿勢に最近、急カーブを切ってきました。 こうしたなかで、「米投げ売り」反対署名請願の申し入れに農協などを訪ねた時、必ず「農民」の購読を訴えています。「日本農業新聞を読んでいてもまったくわからない。この『農民』新聞はわかりやすく問題点が書かれている」と訴えると必ず購読してくれました。農協や自治体、農業委員会などで訴えることが大事だと思います。
また、一月の新聞「農民」に小林代表常任委員と十文字町の西成町長との対談が掲載され、町の担当者が悲鳴をあげるほど全国から視察団が次々に訪れています。 “悪しき習慣”脱しさらに前進第三には、大きな弱点であった組織活動の質的な改善をはかることです。新聞を読んでない組合員は、情勢がわからないだろうと思います。そして学習を怠ってきたことが運動を停滞させてきた大きな原因だろうという認識になりました。従来から指摘されている悪しき習慣、請け負い主義、“マーマー主義”、恩情主義が依然として克服できていません。一部の活動家集団、あるいは選挙の時に活動するだけで、民主的、大衆的な組織になっていない単組が多いという状況です。そこで組合員は全員、新聞を読む、日常的に学習を深め、自覚を高めることが大切だということになりました。機関紙は、生き物であり、一人歩きをする宣伝者です。組織改善には拡大の活動がぴったりでした。 今後の課題ですが、いままでは一部の活動家どまりでした。これを全県の単組・支部、全組合員が本気になって取り組むためには相当な努力と学習、討議が必要になってきます。八月、九月が勝負ではないかと、私は考えています。ですから農民連の学習テキストの中身を全組合員が身につけ、自らすすんで取り組む一部一部の拡大が農村を保守の陣地から革新の陣地に変えていく一歩一歩であると自覚されるかどうかがカギであると考えています。 配達・集金の活動がやまほどあります。これをクリアーして、また新しい拡大行動が起きていくという繰り返しのなかで、秋田県連の組織的な弱点が改善されていくのではないかと確信しています。組織をつくり変える構えで取り組むよう提起されましたが、農業を守る頼もしい組織に秋田県連が成長、発展するために全力をあげる決意です。
(新聞「農民」1999.9.6/13付)
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