地産地消とアグロエコロジーで
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地場産農産物使用、食材の有機化、無償化など、学校給食を充実させ、アグロエコロジーで地域を再生させる取り組みが各地で広がっています。千葉県佐倉市と東京都日野市の実践例と、給食無償化運動のバージョンアップについて、島根大学法文学部の関耕平教授のコメントを紹介します。
おだがけの残る小出さんの田んぼで(左から小出さん、田端大輝さん、希さん、菊間さん) |
検討部会で米は実証栽培を行うことを決定。アンケートで生産者に意向調査を行い、6軒の農家が実証栽培に応じました。NPO法人民間稲作研究所に講師を依頼し、年5回の研修会も実施。収穫したお米は12月に市内の小中学校34校すべてで提供される予定です。
給食納入用のコシヒカリはJAが一旦買い取りし、差額を市が補てんしています。
希さんも「子どもが3人いて、給食を安全なものにしたいと思い、夫の挑戦も手伝うつもりでした。昨年10月にDVD『静かな汚染、ネオニコチノイド』を見る機会があり、『お手伝いじゃだめだ』と一緒に就農することにしました」と話します。
ふたりは、1月から兼業で就農し、有機米の実証栽培にも手をあげました。自然栽培で米以外にも露地野菜を5アール耕作し、ブルーベリー10アールも最近植えています。
「兼業農家でもあり、田植えもイベントとしてやったことなどで、適期から少しずれた作付けになり、草が生え、分けつが少ないなど不安もありましたが、10アール当たり300キログラム収穫でき、安どしました。機械をそろえることもできず、代かきは管理機で、くろ塗りはクワで行い、20アールすべて手で植えるなど重労働になりましたが、楽しくできました」と1年目の米作りを振り返ります。
満面の笑顔で話に花が咲きます |
「20ヘクタールくらいあればすべて有機米に切り替えられるという試算もあります。会派を超えて有機給食を支持する市議会議員がいますし、市民からも『給食の会』結成の動きが出ています。そうした人たちと力をあわせて続けられるようにしたい。新規就農者の受け皿にしていきたい」と菊間さんは意気込みます。
「自校方式を生かし、栄養士と手を組んで地域の学校だけでもいいから少しずつ地元の無農薬野菜とお米が供給されるとよいね」と小出さん。
田端さん夫妻も「子どもたちには安全なものを食べさせたい。温暖化など環境問題が深刻化する中で、おとなが何もしないのは格好悪いですよね」と耕作面積を広げてがんばる決意をしていました。
[2023年12月]
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