「農民」記事データベース20180813-1323-01

農民連全国研究交流集会開く

結成30周年記念大会の成功へ

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 「農民連運動の歴史と到達を踏まえて、新しい発展方向を考える交流会だったと思います。地域と農業が継続できるかどうか、農民連のがんばりによるところが大きいと改めて認識させられました」(京都農民連・安田政教さん)――。農民連は7月31日と8月1日の2日間、全国研究交流集会を群馬県安中市の磯部ガーデンホテルで開き、32都府県から約200人が参加しました。


秋のたたかい盛り上げ
会員と読者を増やそう

 農山漁村を復権させるたたかい

 笹渡義夫会長が主催者あいさつ。交流集会の目的が、来年1月に開催される結成30周年記念の第23回定期大会を成功させるために、夏から秋の要求実現運動で会員と新聞「農民」読者を大きく飛躍させる契機にすること、安倍農政への対抗軸と運動の展望を学ぶこと――にあると述べました。

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約200人が集った交流集会

 農民連結成から30年の蓄積を生かし、国連「家族農業の10年」を次の10年の対抗軸とし、農山漁村を復権させるたたかいを呼びかけるとともに、「組織を前進させることは、安倍農政に苦しんでいる全農民の要求と、農と食の現状を憂える国民の期待に応えるものだ」と訴えました。

 JCFU全国沿岸漁民連絡協議会準備会代表世話人で千葉県沿岸小型漁船漁協の鈴木正男さんも来賓あいさつ。クロマグロの漁獲規制に反対する沿岸漁民のたたかいを紹介し、「農民連のみなさんから多くを学び、秋には全国漁民連の正式な設立をめざしたい」と述べました。

 開催地の安中市長の代理として、萩原稔・産業政策部長からも来賓あいさつをいただきました。

 農民運動と地域政策への期待

 京都大学の岡田知弘教授が「農政をめぐる対抗軸と農業・農村再生への展望」のテーマで記念講演。自民党による構造改革型農政と「地方創生」が食料自給率の低下、農家の減少をもたらしたと述べ、地域を活性化し、豊かにするために、地域産業の維持・発展が求められていると強調。小さくても輝く自治体、地域内経済循環、再生可能エネルギーの推進など地域政策と農民運動への期待を語りました。

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岡田知弘さん

 常任委員会から、真嶋良孝副会長が「TPP・日欧EPA・日米FTA、トランプ貿易戦争と自由貿易主義の今後」について報告。貿易戦争をしかけ、アメリカ第一主義のトランプ米大統領の貿易政策の特徴を述べるとともに、それに追随する安倍政権を批判しました。

要求実現に強い農民連へ

 吉川利明事務局長が家族農業の10年に呼応した国民運動と、結成30年記念大会に向けた取り組みについて報告。家族農業こそが世界の主流であり、家族農業を発展させることこそ、持続可能な世界に貢献すると強調し、「家族農業の10年」をテーマにした学習運動、各自治体首長・農協組合長への要請・懇談運動を各地域で取り組むことを呼びかけ、安倍官邸農政ストップ、食料自給率の向上、農山漁村を再生する国民運動を提起しました。

 結成30周年大会を成功させるために、新聞「農民」読者の現勢回復と、要求に強い組織づくり、要求による仲間づくりを呼びかけました。

 仲間を旺盛に 増やす活動報告

 5つの組織から特別報告。愛媛県からは、豪雨被害の実情と、農水省交渉で農家の声を届け、対策を求めたことを報告。千葉県からは、耕作放棄地の解消と農地保全・後継者育成の観点から取り組むソーラーシェアリングの実践を紹介。和歌山県からは、「みんなで描こう地域農業の未来予想図」をテーマにしたワークショップの取り組みを報告しました。

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仲間づくりについて報告する奈良県農民連

 宮崎県は、農家の要求と会員に依拠した免税軽油の取り組みで、組織拡大と体制強化につなげていることを報告。奈良県では、固定資産税、農業労災、畑回り勉強会など、4月以降も「なんでも相談会」に旺盛に取り組み、14人もの仲間を増やしている活動を紹介しました。

 夜の懇親会は、地元・群馬の音楽グループによる歌と演奏でオープニング。開催にあたり、準備段階も含めて奮闘してくれた群馬農民連の吉野浩造会長が地元の歓迎あいさつを行いました。参加者は食事を囲み、ブロックごとの参加者の紹介などで交流しました。

 2日目は、5つの分科会に分かれて学習と討論、交流をしました。(3面に詳報)

 交流集会に向けて、農民連は全国で現勢回復・集中拡大月間(7月の1カ月間)に取り組み、「参加のために、拡大行動に取り組み、JAと土地改良区に新聞を増やした」(千葉・佐藤好文さん)など各地で奮闘しました。参加者は、参加できなかった県も含めて、交流会開催中に、会員と新聞拡大で成果をあげるなど、奮闘しました。

 集中拡大月間を8月末まで延長

 まとめの全体会では、分科会の報告に続き、吉川事務局長がまとめの報告。日欧EPAの批准と自由化ドミノを許さないための秋のたたかいの重要性を強調。

 さらに要求に強い組織へと成長し、要求で仲間を増やし、「1月の30周年記念大会を運動と組織の前進で迎えよう」と呼びかけました。そのためにも、現勢回復・集中拡大月間を8月末まで延長すると提起しました。

 福島県の野地友子さんは「第5分科会に参加して、地域でがんばっているみなさんの話を聞けたのは貴重でした。工夫をこらし、地域の特性を生かして努力する姿に刺激を受けました。農民連ならではのネットワークを生かしてこれからもがんばりたい」と感想を寄せました。

 研究交流集会終了後、オプション企画として、高崎市の学校給食の取り組みを学習。市教育委員会健康教育課の白石久美子さんが、自校方式による学校給食を広げ、各校に栄養士を配置しながら、地場農産物の活用を実践していることを報告しました。

 新日本婦人の会県本部の野村喜代子さんは、署名活動・議会請願などを通じて、自校方式を中学校まで実現させたことと、現在、学校給食の無料化運動に取り組んでいることを紹介しました。


休刊のお知らせ
 次号(8月20日付)は休刊とします。
新聞「農民」編集部

(新聞「農民」2018.8.13付)
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2018年8月

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