「農民」記事データベース20180625-1316-05

TPP11国会審議を傍聴して

農民連本部 坂本一石

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国民の信頼ない政府に
条約批准の資格なし

 6月13日午前の参議院本会議でTPP11承認案が可決されてしまいました。

 野党からは徳永エリ(国民民主)、牧山ひろえ(立憲民主)、井上哲士(共産)の各参院議員が反対討論を行い、TPP条約の問題点を強く糾弾しました。(1)米国が抜けたのにセーフガード(緊急輸入制限)発動要件を見直さないため、カナダ、オーストラリアから大量の牛肉が入ってくる可能性があり、その上米国の分もこれまで通り入ってくる(2)TPP12の時とは異なり、秘密協定がないにもかかわらず国民に交渉課程を明らかにしない(3)今後の日米での新貿易協議でさらなる譲歩をせまられる―などです。

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国会前で座り込み行動に参加する坂本さん(左から3人目)=6月14日

 そしてそもそもの政府の政治姿勢が大きく問われました。

 野党は、森友・加計学園問題、自衛隊日報、働き方データ、財務省セクハラなど、政府に問題を明らかにして解決する能力がないのは明らかで、国民の信頼がない政府のもとでの外交は認められないと批判。TPPを強引に推し進める姿勢は、ウソ、隠ぺい、改ざん政権の政治姿勢そのものであること、米国が主張を変える度にそれに追従するだけの政権が、今後、実質日米FTA(自由貿易協定)である日米新貿易協議でさらなる譲歩を迫られるのは間違いないなど、政府に対する不信の表明が相次ぎました。

 一方、与党からは賛成討論が行われないまま投票が行われ、賛成多数で承認案は可決されてしまいました。

 投票前、野党側から「賛成討論がないぞー」というヤジが飛びましたがまったくその通りです。多数を持った与党が胸を張って賛成できないような条約を批准してしまってよいのでしょうか。

 がんばって廃案に追い込もう

 共産党の井上参院議員の発言からの引用ですが、農業・食糧は国民生活の基盤です。多国籍企業の利益のためのTPPではなく、一次産業、国民生活を守ってこその政府でなければならないと思います。

 承認案は可決されましたが関連法案はまだ審議中です。廃案に追い込む余地は十分にあります。あきらめずにがんばりましょう。

(新聞「農民」2018.6.25付)
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2018年6月

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