「農民」記事データベース20170612-1266-08

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あなたに忍び寄る
遺伝子組み換え汚染
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 今国会で米、麦、大豆などの主要農作物の種子に対する国・自治体の公的責任などを定めた主要農作物種子法が廃止され、今後はモンサント社などバイオテクノロジー多国籍企業による種子の支配が進むおそれがあります。遺伝子組み換え(GM)作物・動物・食品の現状はどうなっているのか。じわりと忍び寄る遺伝子組み換え汚染の現実が……。


どうなっているGM作物・動物・食品

世界と日本の現状は

 世界のGM作物の作付面積は2016年、過去最高を記録しました(図1)。栽培国でみると、アメリカがダントツで多く、以下、ブラジル、アルゼンチン、カナダ、インドと続きます。この5カ国だけでも栽培面積は世界の約9割を占めます。(表1)

 GM作物の種類は年々増加

 しかし、栽培国自体は2016年が26カ国で前年より2カ国減り、年によって増減はあってもここ10年間はほぼ横ばい状態です。

 GM作物の種類は年々増加し、いま日本で流通しているGM作物は、大豆、トウモロコシ、綿、ナタネ、アルファルファです。世界でみると、テンサイ、リンゴなども流通しています。

 すでにだれもがGM食品を口に

 遺伝子組み換えの種類も、植物を枯らす特定の除草剤に抵抗力をもった(除草剤耐性)作物、作物自体が殺虫能力をもった(殺虫性)作物、両方の性質をあわせ持つ作物が主で、他に干ばつでも枯れない作物などもわずかにあります。GM作物の種類の拡大に伴い、新たな農薬が増え、同時に栽培面積の拡大で使用量が増加していることも問題です。

 日本で流通している4つの作物は、食用油や油製品、家畜の飼料などに利用されており、多くの日本人が口にしています。もうすでに誰もがGM食品を口にしており、他人事ではないのです。(表2)

 種子法廃止はGM企業の野望

 種子を民間に開放したアメリカでは、大豆の種子の8割近くをモンサントやデュポンなどのバイテク企業4社が占め、そのほとんどが遺伝子組み換えです。GM大豆の種代は、20年間で4倍も上がり、農家の経営を圧迫しています。

 安倍政権が、今国会で種子法を廃止したのは、こうした遺伝子組み換え企業の種子支配の野望に応えるためのものです。

(新聞「農民」2017.6.12付)
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2017年6月

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