「農民」記事データベース20170102-1245-06

4府県の事務局長・書記長大いに語る

TPP反対
新しい共同広がり地域守る運動へと発展
(1/3)

安倍政権を追い詰めるチャンスの年

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 激動の情勢のなか、2017年を迎えました。昨年(16年)は6年に及ぶTPPとのたたかいで、漂流に追い込む大きな成果をあげた年でした。一方、安倍政権は、TPPが発効する見通しがないなかで、苦し紛れの強行採決に踏み切りました。追い詰められたのは安倍政権でした。昨年1年間のTPP批准阻止のたたかいは、今後の運動につながる重要な成果をもたらしました。地域で共同を広げ、ユニークで多様な取り組みをした4府県の農民連の事務局長、書記長が集まり、語り合いました。


出席者

岩手 岡田 現三 事務局長
新潟 鈴木  亮 事務局長
京都 安田 政教 書記長
宮崎 来住(らいじゅう)誠太郎 書記長
(司会 農民連本部・吉川利明事務局長)


各地でネットワーク結成

 吉川 新年あけましておめでとうございます。TPPに反対するたたかいが、中央でも地方でも大きく広がり、今後につながる大きな財産を残した1年となりました。はじめに、それぞれの府県の共同の広がりについて紹介をしていただければと思います。

 オール岩手で反対運動を組織

 岡田 岩手では、農民連、「いわて食・農ネット」なども参加して、「TPP等と食料・農林水産業・地域経済を考える岩手県民会議」を2011年に結成しました。県民会議は、JA県中、県生協連に事務局を置き、県森連、県漁連なども参加した「オール岩手」の体制でとりくんでいます。毎月定期的に宣伝を行い、学習会や集会、デモ、県選出国会議員への要請行動にとりくんできました。

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対談する(左から)岡田、来住、吉川、鈴木、安田の各氏

 地域の広がり重視し3つの共同組織を

 鈴木 新潟では、農民連、新日本婦人の会、県労連、農協労連などが中心となって、「TPP参加阻止新潟県民共闘会議」を11年に結成しました。集会、デモ、学習会を積み重ね、そこに農協労組が地域で参加し、運動を広げてきました。地域で共同を広げることを重視し、県内3つの地域に共同組織があります。

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盛岡市内をパレードする「TPP等と食料・農林水産業・地域経済を考える岩手県民会議」=15年6月1日

 農協が動かないなか、農民連が引っぱる

 安田 京都では、農協のトップがTPPに反対しないもとで、どうやってネットワークを立ち上げるかが課題でしたが、農民連、医療関係団体、新婦人や今までつながりのなかった生協なども加わり、27団体が集まって、13年に「TPP参加反対京都ネットワーク」を結成しました。学習会や集会、トラクター・軽トラデモなどを積み上げ、それが地域にも波及していきました。

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新潟駅前で宣伝行動に取り組む「TPP参加阻止新潟県民共闘会議」=16年11月4日

 大筋合意に危機感、個人が集まり「会」を結成

 来住 宮崎では、はじめの頃は農協がいち早く集会や鈴木宣弘・東大大学院教授を呼んでの学習会などにとりくみ、運動をリードしていましたが、2015年10月の大筋合意で運動が低調になると、危機感を抱いた農民、保育士、母親ら10人の呼びかけ人が昨年5回にわたって準備会を開き、団体に頼らない個人の集まりの「食と農とTPP問題を考える宮崎県民の会」を9月に結成しました。こうしたネットワークははじめての経験だったので、まとめるのが大変でしたが、今は100人の個人加盟組織になっています。先日もデモと集会を行いましたが、地元の新聞、テレビで取り上げられ、農民連会員にも大きな激励になっています。藤原宏志・元宮崎大学学長を中心に会議も宣伝も2週間に1回の頻度で続けています。

 11月にTPP特別委員会の地方公聴会が、宮崎市から車で2時間もかかる高千穂町で行われましたが、宮崎空港と高千穂の2カ所で行われた抗議行動には、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)での呼びかけに応え、多くの市民の参加があり、画期的なことでした。

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(新聞「農民」2017.1.2付)
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2017年1月

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