「農民」記事データベース20161031-1236-12

農民連食品分析センターの
機能を強化へ

再度、募金へのご協力を訴えます

関連/分析センターに新しい機器導入
  /遺伝子組み換え食品すべてに表示求める署名19万7879
  /農民連食品分析センターの機能を強化へ


農民運動全国連合会   会長 白石 淳一
農民連食品分析センター 所長 八田 純人

 TPP協定を「大筋合意」した安倍政権は、他の加盟国に先駆けて国会承認をねらっています。

 こうしたなかで農民連食品分析センターは、さらに激増する遺伝子組み換え(GM)食品をはじめとした輸入農産物を跳ね返して国内の生産と食の安全を守るため、食品分析センターの機能強化募金を訴えてきました。

 これまで多くのみなさんのご協力によって、導入計画の一つであるGM作物の混入割合まで分析できる高性能な「リアルタイムPCR」(PCR)を5月末に導入し、測定を開始することができました。

 この間、ご協力いただいた全てのみなさんに感謝申し上げます。

 現在、3000万円を目標としてスタートした募金運動は、目標の約6割となっています。今後のメンテナンス、ランニングコストなどの関係から目標設定時より高性能な機種を選定せざるをえなくなり、「PCR」と「液体クロマトグラフ質量分析計」(LC/MS/MS)の購入価格が、当初の計画よりも合計で750万円程度高くなりました。

 その結果、現状では、ネオニコチノイド系農薬や除草剤ラウンドアップの主成分グリホサートなど、広範囲な農薬の分析が可能な「LC/MS/MS」の導入が見通せない状況にあり、新たに1500万円を目標に募金運動を広げてくださることを強くお願いするものです。

 「LC/MS/MS」は、アメリカで日本向けに、除草剤などをたっぷりかけたGM大豆やGMトウモロコシで育てた牛肉や豚肉などの残留農薬も分析することが可能になります。さらに、環境や人体への影響をめぐって世界的な論争になり、EU(欧州連合)などでは使用を禁止する国もあるネオニコチノイド系農薬の分析も可能です。

画像
導入予定の農薬分析装置(LC/MS/MS)

 日本政府は、2015年5月、この農薬の残留基準をEUやアメリカより緩和し、より日本に輸入しやすくしました。

 こうした農薬だからこそ、国産の農産物をきちんと分析し、その使用状況を明らかにするとともに、輸入農産物の農薬残留の検査を行い、国産の農産物と輸入農産物の使用実態を公表することが必要になっています。1日も早い「LC/MS/MS」の導入が求められています。

 機能強化募金をもう一回り二回り広げて一日も早く導入できるようご協力をお願いいたします。

 あわせて、広範な方々に輸入農産物をはじめ、皆さんの気になる食品の分析に、分析センターを大いに活用していただく「分析運動」も広めましょう。

 分析機器導入募金振込先
 郵便振替口座
 口座番号 00160―6―773542
 加入者名 農民運動全国連合会分析センター

(新聞「農民」2016.10.31付)
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2016年10月

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