「農民」記事データベース20161031-1236-10

分析センターに
新しい機器導入

組み換え遺伝子の混入率が
測定可能に

関連/分析センターに新しい機器導入
  /遺伝子組み換え食品すべてに表示求める署名19万7879
  /農民連食品分析センターの機能を強化へ


分析センターが大豆加工品調査
不使用のはずが…
半数以上からGMを検出

 農民連食品分析センターに待望の新機器「リアルタイムPCR測定装置」が導入されました。食品中の組み換え遺伝子を混入率まで測定することができる装置の導入で、分析センターの調査を充実させることが可能になりました。

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導入されたリアルタイムPCR装置

 『食べもの通信』と共同で初調査

 分析センターはさっそく、『食べもの通信』(家庭栄養研究会)、遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーンそれぞれと共同で、大豆加工品の遺伝子組み換え(GM)大豆の混入調査を行いました。

 調査対象は豆腐や納豆などの加工品、大豆原料のプロテインなど計31商品。すべて「遺伝子組み換え大豆を不使用」のものです。結果は表に示したように、半数近くの15商品から組み換え遺伝子を検出しました。組み換え遺伝子不検出は11商品、2商品は遺伝子の抽出自体ができませんでした。

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検査に使った豆腐

混入率は0.17〜0.01%
5%の基準は甘すぎる!

 今回、新機器導入によって初めて組み換え遺伝子の混入率が明らかとなりました。1サンプルのみが0・17%で、残りは0・01〜0・03%という低い数値でした。国が定めた遺伝子組み換えの表示基準である5%を大きく下回り、EU(欧州連合)の基準値0・9%も軽々とクリアする水準です。

 食品分析センターの八田純人所長は今回の結果に対して、「基準の5%以下ではあるが、“遺伝子組み換え原料不使用”の商品であっても組み換え由来の遺伝子が含まれることは、結果を見ても明らかです。多くの消費者は不使用であれば0%と思っているでしょうが、実態は違うということを知ってほしいと思います。一方で、混入率が低いことから、管理の水準はEUの表示基準0・9%をクリアできるくらい厳しい管理ができていることもはっきりしました」と話します。

 「混入率を測定できるようになったのは大きな進歩です。具体的な数値をもとに議論ができるようになりました。消費者運動の一翼にこの機器が配備されたことは、運動にとっても大きな前進になると思います。今後は、飲食店など表示義務のない売り場で流通している食品の実態を調査していきたいです」と八田所長。

 「ぜひ、みなさんが調べてみたいものをお寄せください。たくさんデータを集めて、食の安全としっかりした食品表示を求める運動の弾みにしていきます」と呼びかけています。

(新聞「農民」2016.10.31付)
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2016年10月

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