「農民」記事データベース20160104-1196-06

TPPとのたたかいはこれから

参院選で安倍政権退場へ
力合わせたたかおう
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 2016年は、安倍政権を倒し、TPPをストップさせるうえで重要な年になります。農民連の白石淳一会長と、アジア太平洋資料センター(PARC)の内田聖子事務局長が今年1年を展望して語り合いました。


新春対談
アジア太平洋資料センター事務局長 内田聖子さん
農民連会長 白石淳一さん

 白石 新年あけましておめでとうございます。

 内田 あけましておめでとうございます。

 際立った政府の前のめり姿勢

 白石 昨年は、10月にTPP「大筋合意」が発表されましたが、農民連は「大筋合意は最終合意ではない。これからのたたかいでつぶせる」と呼びかけています。内田さんは、7月の米ハワイ、9月のアトランタの会合に参加されましたが、現地はどうでしたか?

 内田 ハワイ、アトランタとも、日本政府の前のめりの姿勢が際立っていました。ハワイで日本は、メディア向けの説明用ぺーパーも用意して、妥結するのを待つだけでした。しかし、それが流れてしまい、甘利明TPP担当相は激怒していました。アトランタでは、「もうゲームはやめよう」と、「大筋合意」まで強引に持っていきました。あいまいな合意を含む「大筋合意」は、最終合意でも、協定文書でもなく、たたかいはこれからです。

画像
対談する内田さん(左)と白石さん

 白石 「大筋合意」は、重要5品目すべてで大幅譲歩すると同時に、3割もの関税撤廃を約束していて、明確な国会決議違反です。政府は、農産物の81%で関税撤廃、19%は守ったと言っていますが、とんでもありません。重要5品目を除けば98%、ほとんどの野菜・果物が軒並み関税撤廃になり、衝撃を受けています。わが家も米、麦、玉ねぎなどをつくっていますが、TPPでどうなるか、不安が膨らみます。しかもこの内容が、オバマ米大統領が2014年4月に来日したときには、すでに決まっていたというから驚きです。

 内田 東京・銀座で安倍首相とオバマ大統領がおすしを食べながら、そこで合意していたことを、NHKの記者が「今だから言える話」として紹介していました。それを読んで怒りがわいてきました。そこで決まった中身をそのまま報道すれば国民の反発を招くから、メディアは「牛肉の関税9%」など小出しにしたと言うのですから。

 農民の怒り安倍政権に

 白石 日本は、協定の全容も公表せず、国会を開いて影響も検証しないまま、“国内対策”を出すのですから、本末転倒です。「影響は限定的」と評価するのでは、まともな対策など出るわけはありません。

 内田 政府は、盛んに「輸出で活路を見いだす」と言っていますね。

 白石 輸出目標の1兆円のうちほとんどは国産農産物を使わない清涼飲料や菓子、即席めんやレトルト食品です。国産農産物は1000億円弱で総生産額の1%にすぎません。これで活路が開かれるなど、とうていありえません。

 内田 政府がTPP協定案の情報を出さないので、自分たちでチームをつくって分析しながら、情報を発信しています。TPP発効後もどんどん内容が変えられる恐ろしい仕組みであることがわかってきました。農家が「反乱」を起こすなど、もっと怒りの声をあげてほしいですね。

         □ >>〔次ページ〕

(新聞「農民」2016.1.4付)
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2016年1月

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