世界遺産の富岡製糸場
|
関連/世界遺産の富岡製糸場(1/4) /世界遺産の富岡製糸場(2/4) /世界遺産の富岡製糸場(3/4) /世界遺産の富岡製糸場(4/4) |
現在、同センターの専門職員は16人。「養蚕農家は減っていますが、幸い県の予算も人員配置も削減されることなく、維持されています。やはり県民のなかにも、養蚕への思いが強いことの表れではないでしょうか」と柏さん。同センターは、群馬県オリジナル蚕品種の維持や、養蚕農家の技術指導などを担い、なかでも蚕種と人工飼料の製造と供給は、養蚕農家にとって大きな支援策となっています。
群馬県高崎市にある稚蚕人工飼料センター。コンピューター制御により自動化された製造ラインを備えた、世界唯一の蚕の人工飼料製造工場。原料の桑葉を栽培する桑園4ヘクタールが隣接している |
近代養蚕の発展には、蚕の品種改良が大きな力を果たしてきました。今日でも優れた蚕品種の維持・改良と、蚕の卵の安定供給は、養蚕業の存亡に直結する問題です。
人工飼料も養蚕農家のえさやりの省力化と病気予防に、不可欠なものとなっていますが、同センターが製造する人工飼料は、群馬県だけでなく10県に出荷され、全国の養蚕業を支える事業となっています。
主任研究員の岡野俊彦さんは、「今がんばっている養蚕農家が生産を続けられることと、新しい養蚕農家が増えることの両方が必要です。養蚕農家の皆さんには、一つでも多くの繭をつくってほしい。そのために、少しでも養蚕農家の力になるのが私たちの責務だと思っています」と、熱い思いを話します。
富岡製糸場の世界遺産登録は、群馬県の養蚕業にも明るいニュースをもたらしました。それは新規就農の若い養蚕農家が増えたことです。「私たち養蚕関係者一同、このニュースには本当に励まされています」と笑顔の柏さんと岡野さん。「世界遺産登録を機に、もっと群馬県養蚕を盛り上げていきたい」と、話してくれました。
[2014年9月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224
Copyright(c)1998-2014, 農民運動全国連合会