知らずに食べていた
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害虫対策の殺虫性作物は、殺虫毒素を持つBt菌の遺伝子を組み入れ、すべての細胞に殺虫毒素ができ、虫が食べたら死滅するようにした作物です。ところが現在では、殺虫毒素に抵抗をもつ虫が増え、より強い農薬が大量に使用されています。
また、ラウンドアップなど特定の除草剤をかけても枯れないようにつくられたものが除草剤耐性作物です。
その除草剤でも枯れない「スーパー雑草」が現れ、ベトナム戦争などに使用された枯葉剤の成分「2,4‐D」「ジカンバ」など強い農薬が使用されています。
しかし、世界中の科学者により、GM作物の悪影響は次々に報告されています。
2009年にアメリカ環境医学会は、GM食品は免疫機構に異常が起き、肝臓や腎臓など解毒器官の損傷、子孫の減少やひ弱化を引き起こすとして、GM食品の流通を一時ストップすべきだと警告しています。
12年には、フランス・カーン大学のセラリーニ教授らによるGMトウモロコシと除草剤をラットに与えた実験では、メスのラットに早期に腫瘍(しゅよう)が現れ、オスのラットに肝臓や腎臓の障害がでたことを確認しました。
フランスでは、この実験をきっかけにGM食品の安全性を見直すことになりました。
日本では、安全性評価の基準を変えることなく次々に承認しています。アメリカでさえ審査に時間をかけている「2,4―D」耐性作物も簡単に認可されました。TPPに日本が参加すれば、審査基準はますます緩くなり、GM作物が輸入されることになります。
家畜の飼料でみると、トウモロコシは4分の3が飼料に、残りがコーンスターチなどに使われます。大豆やナタネは油に使われた後、残ったかすが飼料に使われます。油も飼料にも表示がないので食べていてもわかりません。牛・豚・鶏の飼料はほとんどがGM作物です。
原材料がすべてGM作物でも、大豆油、ナタネ油、コーン油やしょうゆに表示がないのは、組み込まれた遺伝子やたんぱく質が検出されないことを理由にしています。
EU(欧州連合)では、GM作物を使用したすべての食品、さらに飼料にも表示義務があります。
これは食品の流通経路を追跡調査できるトレーサビリティ法があるからです。意図しない混入の許容率はEUで0・9%、韓国は3%、日本は5%です。GM作物を使った食品すべてに表示を求めましょう。
[2014年7月]
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