「農民」記事データベース20140106-1100-08

TPP、「農政改革」、原発、消費税、秘密保護法…

共同して安倍政権の暴走にストップを
(2/2)

新春対談

主婦連会長 山根 香織さん
農民連会長 白石 淳一さん

関連/共同して安倍政権の暴走にストップを(1/2)
  /共同して安倍政権の暴走にストップを(2/2)
  /賀正 ぽっくりぽっくりと福がくる
  /みんな平等に新しい年がやってきた


農業と原発相いれない 廃炉しかない

 農民連の出番まさに今ですね

 白石 安倍首相は昨年3月、TPP交渉への参加表明のときに、北海道沼田町の雪の冷気を利用して保存する「雪中米」を輸出の先進例として紹介しましたが、雪中米は沼田町の米生産量の0・003%にすぎません。そもそも国内の自給率がこれだけ低いのに、輸出して活路を見いだすというのは成り立ちません。新規就農者の育成、国内農業の振興で食料自給率を向上させることが求められています。

 山根 そういう点で、まさにいま農民連さんの出番ですね。主婦連の事務所が入っている主婦会館の玄関前では、年に4回、農民連ふるさとネットワークさんのご協力で産直市が開かれ、首都圏などの産地から新鮮でおいしい野菜や果物、加工品が並んでいます。

 食品偽装問題は農業への軽視

 白石 昨年11月に開かれた「ふるさと産直みほん市」にも、主婦連のみなさんに後援していただきました。また、新聞「農民」で、主婦連の佐野真理子事務局長に食品表示問題の連載を執筆していただいていますね。いま外食メニューや大手ホテルの食品偽装など、なぜこうした問題が相次いでいるのでしょうか。

 山根 背景には、もうけ本位の考え方があると思います。本来、食品はそうであってはならないものです。自然を相手に農産物がつくられ、それはまさに人間の体と命をつくるもの。工業製品とは違います。偽装問題は、農業への軽視にほかなりません。

 白石 今年は例年になく異常気象で、それとたたかい、工夫しながら、農家はがんばって生産しています。

 農家の思いなど直接聞ける産直

画像  山根 産直市では、農産物を手に取って、生産者と会話しながら、農家の思いや栽培の苦労などじかに聞けます。みんなが楽しみにしています。今までは農村と都会、産地と消費者との連携が少なかったのですが、これから同じ方向で力を合わせていく時代ですね。主婦連としても産地を応援したいと思います。

 白石 産直が広がり、消費者との交流が深まるのは、生産者にとっても大きな力になります。地方でも直売所が地域のコミュニティーをつくる大きな役割を果たしています。農村の発展で、関連産業が栄え、地域の振興につながる。まさに地域循環型のまちづくりが大事です。

 原発の再稼働や輸出促進に反対

 山根 産直市では、福島など被災地支援品も販売していますね。原発事故は何も解決していません。それなのに、再稼働を進め、輸出を促進する日本政府は世界の恥だと思います。

 白石 福島県では私たちの仲間も故郷を追われました。いったん事故が起きればとりかえしがつかない原発事故の恐怖を私たちは実感させられました。農業と原発は決して相いれません。にもかかわらず、再稼働する、輸出するというのは絶対に認められません。

 山根 主婦会館のロビーでいま、北ドイツの小さな村で、原発反対に立ち上がった村人たちの記録を紹介する展示を行っています。福島を経験した日本人が反原発の運動の輪をもっと広げてほしいという願いが込められています。

 白石 私も先ほど見ましたが、農民たちがトラクターを何十台も連ねて北ドイツの田舎から首都ベルリンに向かう写真は壮観でした。日本でも全国各地で立場を超えた幅広いネットワークで集会やデモが展開されています。この広がりはかつてないものです。今年は、こうした運動をさらに広げる年にしたいですね。

 今年も課題山積ご一緒になって

 山根 昨年は、安倍政権の暴走に怒ってばかりでした。今年も、消費税増税、TPPなど課題は山積していますが、これからも農民連さんとはさまざまな場面で共同し、ご一緒する機会がもっと増えると思います。安全で安心な社会に少しでも近づけるよう力を合わせましょう。

 白石 当面は、TPPからの撤退に全力をあげます。次世代の人たちが安全して農業に携われるよう、自国の食糧は自国でつくるのが当たり前になるようがんばりたいと思います。ご一緒に力を合わせましょう。


茨城・石岡市
鈴木伸子

横浜市
安西美佐子

(新聞「農民」2014.1.6付)
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2014年1月

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