「農民」記事データベース20110131-958-01

TPP阻止、農山村の再生へ
農民連が共同の“核”に

農民連第19回定期大会

関連/農民連女性部第22回総会/農民連青年部第19回総会

 「TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)阻止、農山村再生の“核”となる組織づくりを!」―農民連の第19回定期大会が、1月19日から21日まで、東京・大田区産業プラザで開かれ、全国からから約350人の代議員・評議員が参加しました。


大会決議を力に、共同と連帯を広げ、
たたかいの中で強大な組織つくろう

“農民連ここにあり”の発言相次ぐ

 持てる力結集し全面自由化阻止

 白石淳一会長は開会あいさつ(要旨2面)で、「WTO批准阻止など自由化とのたたかい、米価下落で政府備蓄米を買い上げさせた粘り強いたたかい、産直運動で築いてきた消費者との絆(きずな)、そして食健連運動やビア・カンペシーナとの国際活動など、農民連の20年余にわたる取り組みを確信にして、持てる力を総結集し、なんとしてもTPPをはじめ全面自由化の流れを阻止しよう」と呼びかけました。

 来賓あいさつでは、日本共産党の市田忠義書記局長(参議院議員)が「いまの情勢ほど、農民連が出番中の出番の時はない」と激励。また、農民連の大会史上はじめてJA全中の代表として今野正弘農政部長が出席し、冨士重夫専務のメッセージ(要旨2面)を代読。参加者は大きな拍手で応えました。

 大会決議案を報告した笹渡義夫事務局長は、「米つくってメシくえない」をスローガンにした米価対策の粘り強いたたかいや組織づくりなど、2年間の運動の前進に確信を持って、TPPを阻止するたたかいに取り組むことを強調。「実りある討論でさらなる飛躍と団結を強めよう」と訴えました。

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約350人の代議員・評議員を前にあいさつする白石会長

 また、真嶋良孝副会長は「『平成の売国』TPP参加を許さず、食糧と農業、この国を守ろう」と特別報告を行いました。そして、刊行したばかりの雑誌『農民』」(63号)を使いながら、マスコミの異常なキャンペーンなどを詳しく解明して反論を加え、内需拡大など打開の道を示しました。

 元気はつらつ、 笑いあり涙あり

 討論では50人が発言。「民主党は言っていることとやっていることがまったく違う。こういうのを“詐欺行為”というんだ」「TPPに賛成する人には、まま、かせねぞ(ご飯、食わせないぞ)」など、怒りの声があふれました。

 また「はじめて農協が農民組合に呼びかけてきて、いっしょにトラクターデモを行った」「農協がどうたたかったらいいか、農民連に聞きにきた」など共同の広がりが報告され、「雑誌『農民』臨時増刊号をおおいに普及して、運動に取り組む」などの決意が述べられました。

 そして「毎日、野菜作りが楽しくてしょうがない」「みんなに支えられてナタネづくりに取り組んでいる」「口蹄疫(こうていえき)で畜産農家の声に耳を傾け、悩みや要望にこたえている」「新聞を増やすことはこんなにも楽しいのかと、あらためて知った」など笑いあり、涙あり。

 「気合だ!」の10連発で会場がおおいに盛り上がり、元気はつらつの青年たち、ユーモアあふれるお母ちゃんたちの発言などが相次ぎました。(発言は、次号以降で紹介します)

 新役員の選出とTPP阻止決議

 大会議案を賛成多数で採択し、新しい常任委員を選出(2面)。第1回常任委員会で、会長に白石淳一氏を選出しました。

 大会は最後に、「私たちは、国民のいのちと豊かな国土をまもる農民として生き抜く。TPP参加阻止のたたかいは、日本農業の未来を切り拓(ひら)くたたかいである。日本人ひとりひとりの暮らしのあり方をも問う壮大な国民運動に発展させ、その先頭に立つ」とする特別決議を採択しました。

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TPP阻止、農民連の前進に向け“団結ガンバロウ”

 JAL原告団に温かいエール

 大会1日目の夜には、農民連が日ごろお世話になっている労働組合や民主団体、米屋さんなど150人余りを招いてレセプションが開かれました。

 はじめて参加した東京農工大学名誉教授の梶井功さんは、「TPP阻止のために、なんとしても農民連にがんばってもらいたくてこの場に来た。私も力の限りがんばりたい」と表明。また、この日に不当解雇撤回を求めて東京地方裁判所に提訴した日本航空(JAL)のパイロット、客室乗務員の原告団から、約20人が駆けつけました。

 代表してパイロットの飯田祐三さんが「道理のない解雇を許すわけにはいかない。撤回させるまでがんばる」と力強く訴えると、会場から「がんばれ!」「負けるな!」のエールが響きあいました。そして、ほくほくネットから「いのちもたたかいも支えあおう」と、闘争支援に米が送られました。また、大会2日目には会場で支援カンパが呼びかけられ、19万円余りが寄せられました。


農民連女性部第22回総会
◇2月10日(木)午後1時30分〜11日(金)
◇機山館(東京都文京区本郷4―37―20)
◇参加費 1万1千円(保育もあります)
農民連青年部第19回総会
○2月11日(金)午後1時〜12日(土)
○ふたき旅館(東京都文京区本郷6―6―3)
○参加費 1万円
《申し込み=農民連本部》

(新聞「農民」2011.1.31付)
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2011年1月

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