JA全中冨士専務からのメッセージ
今野 正弘農政部長が代読
JA全中の今野正弘農政部長が、冨士重夫専務のメッセージを代読しました。その要旨を紹介します。
農民連第19回定期大会にご参集のみなさまには、日ごろより地域農業の維持・発展にご尽力いただいており、心より敬意を表します。
さて政府は、閣議においてTPPについて「関係国との協議を開始する」ことを決定しました。交渉への参加・不参加の判断は先送りしたものの、ていねいな説明もないまま決定したことはあまりにも性急であり、きわめて乱暴といわざるを得ません。
TPPは、関税撤廃の例外を認めない完全な貿易自由化交渉です。TPPへの参加は、国として市場原理主義の世界を選択するということであり、農林水産業をはじめ、地域経済や国民生活の分野で甚大な影響が及ぶことは必至であり、断じて認めることはできません。
また、単に農産物や工業製品の関税だけでなく、金融、保険、医療、公共事業、さらには国民の食生活の安全基準の変更が求められるなど、各種の国内制度や基準も交渉対象となります。
このように、TPP交渉への参加は、まさに日本という国の制度、仕組みを根本から変えるという、国民生活にとってきわめて大きな問題をはらんでいます。
もちろん、政府が国民に約束した食料自給率50%への向上とTPPは両立不可能です。「平成の開国」どころか、海外に食料を完全に依存するという亡国の道を踏み出すことになりかねません。
われわれJAグループは、国民運動を展開することとしています。そのため、役職員全員がこの問題の語り部となり、1000万人署名を行うなど理解と共感を求めていくことにしています。
TPP交渉参加の断固阻止に向け、みなさまと共に全力でたたかい抜くことを固くお誓いするとともに、みなさまのご協力もあわせてお願いし、ごあいさつとさせていただきます。
(新聞「農民」2011.1.31付)
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