TPP参加と食料自給率向上
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集会は、いつにも増して生産者の危機感があふれるものでした。「集会に参加しなかった国会議員の代理を紹介する」と司会者が言ったら、会場からすかさず「そんな必要ない」との声があがり、司会者も「それじゃやめます」と言った。会場からは「こんな大切な集会に、本人が参加しないような国会議員なら要らない」との声も聞かれた。
天童産直センターは、りんごの箱に「TPP断固阻止!」のステッカーをはって消費者に届けています |
米価暴落に加えてTPPへの参加は、農家にとって踏んだり蹴ったり。一部の輸出企業が栄えても、日本の農業だけは間違いなく大打撃だ。日本に農業がなくなってもいいという人はいない。農民だけでなく、消費者、国民との共同を強めて、なんとしても阻止しなければならない。
WTO(世界貿易機関)―自由貿易万能論を押しつけるために1995年に設立された。設立前後は、「自由貿易」は誰もが反対できない永久不滅の真理と信じ込ませる宣伝・洗脳が行われた。しかし、WTOは設立4年後の1999年に交渉が決裂し、11年間「漂流」「機能不全」「集中治療室と火葬場の中間にいる状態」が続いている。
FTA(二国間あるいは地域間の自由貿易協定)、EPA(経済連携協定)―WTOが機能不全に陥ったため、全世界いっせいの自由貿易推進路線から、二国間あるいは地域間で自由貿易を進める方針に転換(もちろん、WTO交渉をあきらめたわけではなく、交渉は現在も続いている)。
FTAは農産物や工業製品など「商品」の自由化を進める協定。EPAは商品のほかに、投資、労働力、サービス、金融など、あらゆる経済活動の自由化を進める協定で、日本政府の造語。世界的には、FTAもEPAも同じ意味で使われている。
APEC(アジア・太平洋経済協力会議)―アジア諸国だけで協力関係がすすむのを防ぐため、アメリカ・オーストラリアが主導して、アジア・太平洋21カ国が参加して1989年に設立された。「貿易・投資の自由化」を推進しているが「非拘束」を原則にしている。
TPP(環太平洋戦略的経済連携)、FTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)―FTAの一種。
APEC加盟国の財界団体連合が2004年にFTAAPを提案したが、APECが世界人口の41%、世界総生産の54%を占める巨大経済圏であるため、各国政府が実現をためらった。そのため、ブルネイ、シンガポール、チリ、ニュージーランドが2006年に“ミニFTAAP”としてTPPを作った。
TPPが「例外なき自由化」を原則としていることに目をつけ、TPPを足がかりにアジアに輸出を拡大することをねらったアメリカが、2009年11月にTPP参加を表明し、ベトナム、ペルー、マレーシアが加わって、9カ国で“拡大TPP”をめざして交渉中。2011年妥結をめざしている。アメリカは、自由貿易原則を徹底しているTPPを「21世紀型FTA」ともちあげている。
[2010年11月]
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