「農民」記事データベース20100920-941-01

米つくってメシがくえない

コンバイン降りて 9・10 怒りの行動

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 「米価下落の張本人は農水省だ!」「政府はただちに米価下落対策を行え!」―稲刈りの真っ最中、「居ても立ってもいられない」とコンバインを降りて全国からかけつけた農民、そして「これは農民だけの問題じゃない」と支援に駆けつけた消費者や労働組合の仲間たち。農民連と全国食健連(国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会)は9月10日、炎天下、「米つくってメシがくえない、米価対策を求める怒りの行動」を行いました。「怒」のハチマキを締めて250人が参加し、農水省や民主党本部、国会周辺に“怒りの声”が響き渡りました。


米価暴落対策を!
過剰米ただちに買い入れよ

 こんな米価では生活できない

 農民連の白石淳一会長は農水省前で「米価はドロ沼の暴落状態。こんな米価で生活できるのか。政府は戸別所得補償で需給が締まるといって、過剰米の買い入れにいっさい応じようとしない。今日の『怒りの行動』でこの重い扉をこじあけよう」と呼びかけました。

 過剰米の買い入れを求めた農水省との交渉では、農水省側が「9カ月連続で下落し、概算金も前年比で約3000円下回っている」ことを認めました。しかし下落対策については「いま過剰米対策を行えば戸別所得補償に参加しなくてもいいということになり、過剰を改善することにつながらない。今の段階では対策はいっさい考えていない」と買い入れ要求を拒否。これに対して、参加者は「過剰の40万トンは消費量の5%、18日分にすぎない。その気になれば買い入れはすぐに可能だ。この程度の買い入れができなくて、どうして自給率をあげられるのか」「戸別所得補償の補償額は1万3700円しかなく、下落を補てんしていない。価格下落に歯止めをかけることこそ急務だ」などと訴え、怒りの声にあふれました。

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農水省交渉には100人を超える農民らがつめかけました

“対策いっさい考えてない”
要求拒否の政府に怒り爆発

 農協にも伝えてともにたたかう

 社会文化会館で開かれた「怒りの決起集会」では、来賓として日本共産党の紙智子参院議員が激励のあいさつをし、農民連と消費者、労働組合などの団体から8人が「怒りのスピーチ」を行いました。(発言の一部は2面に掲載)

 新潟県連の今井健会長は「異常気象を乗り越え、黄金色の田んぼでやっと収穫だとホッとしたら、米価下落で真っ青だ。北陸ブロックは『いまたたかわずしていつたたかうのか』と緊急行動を行った。仲間を増やして農政を変えよう」、福島県連の亀田俊英会長は「概算金が7800円で全国一低い。こんなことが許せるか。この実態を県民に訴えようと、県連では10日から15日までキャラバンをやる。今日の『怒りの声』を農協にも伝え、ともにたたかっていこう」、北海道連の山川秀正会長は「異常気象でどの農作物も不作だ。民主党政権はインドともEPA(経済連携協定)を締結させるなど、自由化推進。この自然災害と政治災害から食と農を守っていこう」と、それぞれ決意を述べました。

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厳しい表情で発言に聞き入る農民

さらに運動を強め、政府を追いつめよう

 米俵を先頭にムシロ旗掲げて

 閉会あいさつの中で笹渡義夫事務局長は、「この集会には、買い上げを選挙公約に掲げたすべての政党と、要求で一致するJA全中や米卸、小売りの団体にも協力を呼びかけ、それぞれ共感していた。要求での共同が広がり、われわれのたたかいが政府を確実に追いつめている。全国で運動をさらに広げよう」と訴えました。

 最後に、「異常な低米価は農民だけでなく、農協、米卸、小売りなどにも塗炭の苦しみをもたらしている。いまこそ政府買い入れで米価下落に歯止めを」との集会アピールを採択しました。

 なお、社民党の吉泉秀男衆院議員と秋田・大潟村の坂本進一郎氏から激励のメッセージが寄せられました。

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米俵を先頭にこぶしをふりあげ、農水省前をデモ行進

 集会後、参加者は米俵を先頭に、ムシロ旗やプラカードを掲げながら、民主党本部前や国会を通り、日比谷公園までデモ行進し、「国民の主食、米を守れ」「自由化をするな」と声をあげました。

(新聞「農民」2010.9.20付)
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2010年9月

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