「農民」記事データベース20090921-894-08

地域に支えられ 元気じるしの直売所
地産地消 安全・安心(3/4)

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  /まがっていると規格外 味は同じなのだけど


生産農家が直接販売できる
ブランド化、新鮮な“鎌倉やさい”

80年の伝統ある
鎌倉市農協連即売所

画像 JR鎌倉駅東口から若宮大路を由比ガ浜の方へ歩いて5分。鉄骨平屋建ての鎌倉市農協連即売所が見えてきます。この即売所の歴史は古く、開設は1928年(昭和3年)といいますから、80年の伝統ある即売所です。なんでもキリスト教会の牧師さんの「ヨーロッパではこんなふうに野菜を売っているよ」というアドバイスで、農家が自分で生産した野菜を売り始めたそうです。

 いま、鎌倉地区と横浜地区の農家27人が、4班に分かれて4日ごとに出店しています。その一人、鎌倉市関谷で野菜づくり30年の山森金雄さん(54)の売り場を訪ねました。

 即売所には、テレビや雑誌などで取り上げられ、すっかりブランドとなった新鮮な“鎌倉やさい”が色鮮やかに並んでいます。ここの特徴のひとつは、生産した農家が直接販売すること。だから「消費者がどんな野菜を求めているかがよくわかる」そうです。「最近は、レストランやホテルのシェフが、地元だけでなく東京や横浜からも買い付けに来る」とあって、農家もイタリアから種を取り寄せるなど、ちょっとかわった野菜を生産しています。この日も、「十六ささげ」や「レモントマト」「ミルクなす」「オレンジズッキーニ」など、スーパーでは見られない野菜が並び、「これはどうやって食べるの?」「どんな味?」とたずねるお客さんに、農家が「おひたしにしてもいいし、煮物にもバッチリよ。おいしいんだから」とアドバイスすると、ほかのお客さんも寄ってきて輪ができました。

 
山森さん
   

 山森さんは1・3ヘクタール余りの畑で年間70〜80品目の野菜を生産しています。「ここはみんなで話し合って運営しているのがいいところ。少量多品目だから小回りもきくし、リスクも少なくてすむ」と話します。しかし、農業だけでは経営が厳しく「アパートや駐車場の不動産収入がバックにあるから、なんとかやっていける。悩みはやっぱり後継者がいないこと」です。

“この野菜なんだろう?”―めずらしい野菜が所狭しと並んでいます

 リュックを背負って古都・鎌倉へ散策に訪れるときには、ぜひ寄ってみたい即売所です。ただし、お昼ごろには完売してしまうそうですから、ご注意を。

(新聞「農民」2009.9.21付)
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2009年9月

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