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いまこそ農民一揆!
農政の大転換(3/3)
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自民党に、ひとのことを言う資格があるのか?
こういう民主党マニフェストを、失地ばん回のチャンスとばかりに大はしゃぎをしているのが自民党と公明党です。いわく「民主党の姿勢は日本農業を米国に売り渡すと言っているのに等しい」「民主党は自由化路線の姿勢を覆い隠していたが、ついに馬脚をあらわした」。
自民党の批判は的を射ているのは確かです。しかし、この批判はそっくり自民党に降りかかるものです。「日本農業を米国に売り渡し」続けてきたのは歴代自民党政権だったことは、まぎれもない事実だからです。
自民・公明政権は日豪FTA推進
いま、自民・公明政権は、アメリカに次ぐ農産物輸出大国であり、米を含め農林水産物の関税撤廃を要求しているオーストラリアとのFTA締結をめざし、交渉は9回にも及んでいます。北海道庁の試算では、日豪FTAによって、麦、砂糖、乳製品、牛肉の4品目だけで4456億円、関連産業を含めると約3倍の1兆3716億円の生産額減少が予想され、離農は2万1000戸に及びます。
民主党批判も結構ですが、政権をにぎっているいま、まず、日豪FTA交渉を中止すべきです。
自民党、経団連には日米FTAを密約
自民・公明政権の表向きの方針は“日米FTAは将来の課題として検討する”ですが、実態は違います。小泉型改革と輸入自由化の司令塔、経済財政諮問会議では「日米FTAを締結すべき」という議論が大手をふってまかり通ってきました。
さらに重大なのは経団連との密約です。自民党は毎年、経団連と「政策を語る会」を開き、経団連が求める「優先政策事項」に対する自民党の“自己採点通信簿”を提出しつづけてきました。今年目立つのは、初めて「アメリカとのEPAの実現に向けた具体的な取組みの開始」に踏み込んだことです。
08年は「アメリカ及びEUとのEPAに関する産学官共同研究の早急な開始」、それ以前は「アメリカ」という言葉さえありませんでした。「守るべきは守る」という注釈をつけてはいますが、経団連には日米FTAの「実現に向けた具体的な取組みの開始」を密約していたのです!
日本共産党を除く全部の党の“流れ作業”で進められた農産物自由化
農産物の輸入自由化は、WTOが「タコ」の頭、FTA・EPAが「タコ」の足の役割を果たして進められてきました。FTA推進に関して、民主党も自民党も五十歩百歩ということになるのは、WTO協定をめぐる歴史に根源があります。
WTO協定は、自民党が1993年夏まで交渉を進め、現在の民主党、公明党、社民党の前身の連立政権・細川内閣が93年12月に受け入れを決め、94年に自民党と当時の社会党から成る村山内閣が国会で承認したという“流れ作業”で行われました。驚くべきことに、この亡国の“流れ作業”にいっさい手を染めていないのは日本共産党だけでした。
さらに、村山内閣はWTO協定承認と一緒に食管制度を廃止し、自民・公明政権はメキシコや東南アジアとのFTAを次
々に締結し、価格保障制度を根こそぎ廃止してきた歴史を持っています。
「農業の将来を見えないようにしたのは誰だ!」(鳩山氏)――いま、総選挙で問われているのは、まさにこの点です。それは自民党・公明党であり、民主党も社民党も責任を免れないといわざるをえません。
(新聞「農民」2009.8.17付)
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