諸悪の根源=MA米が続くかぎり、
食の安全・安心は守れない(2)
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「完全に中止すべきだ」
MA米で 農民連白石会長が表明
汚染輸入米事件の第一報が入った9月5日、農水省はMA米の入札を平然と強行しました。しかし、17日に予定されていた、主食向け輸入米(SBS米)の入札は、高まる世論の前に、断念に追い込まれ、米の輸入そのものを当面
中止することを表明しました。
農民連は、白石淳一会長名で談話を発表。「粘り強くたたかってきた農民連・食健連運動の大きな成果」と評価したうえで、「需要のないMA米の輸入を中止しない限り、この問題は根絶できない。輸入はキッパリ中止すべきである」と表明。
さらに「この問題は、間近に迫った総選挙の重要な争点である。農民連は、真に食料自給率を向上させる農政への抜本的な転換を要求し、農民や国民の要求が反映する国会の力関係にするために全力でたたかう」としています。
米への信頼崩れるのが心配
東京・文京区の米屋 渡邉 弘さん
MA米はほとんどが精米で輸入されてきますが、私たちのような町の米屋は、玄米で仕入れており、精米はほとんど扱っていません。だから“ウチの米にも汚染米が混じっているかも…”という不安はありません。
でも、やっと米の需要が回復してきたところなのに、この事件で米への信頼が揺らいでしまうことが、本当に心配です。日本の農家の皆さんにとっては、MAで輸入された外国産の汚染米のせいで消費者の信頼が崩れてしまうわけで、これもひどい話です。
今回の事件は、農水省が汚染輸入米を処分するなかで起きたのが大元で、農水省は責任をしっかり果たしてほしい。業者に対する検査もずさんです。MA米をとにかく処分したくて、疑わしい部分は知ろうとしなかったのではないでしょうか。その結果、末端の中小業者や、消費者がツケを払わされるのは、納得いきません。
給食や業務用の入札では、時々、米屋から見ても相場からかけ離れた、とんでもないような低額で落札されているのを見かけます。汚染米といっても、精米してしまえば、見ただけではわかりません。まして米粉になってしまったら、もっと見分けがつきません。食べ物の安全性は何より大切ですから、農家や消費者、そしてまじめにやっている業者が、悪徳業者のもうけの犠牲にならないような対策が必要だと思います。
(新聞「農民」2008.9.29付)
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