ひん死の地球救おう! 北の大地から発信(1/3)
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「食糧主権が人びとの暮らしと、地球上の生命を守る!」「持続可能な家族農業こそが、世界に食糧を供給できる!」――北海道G8サミット対抗行動のメーンイベント「食糧主権・気候変動に関する国際フォーラム」が、七月四日、札幌市内の共済ホールで開かれ、十カ国から五百八十人が参加しました。ビア・カンペシーナの海外代表、農民連、食健連、研究者などが、階層も、国境も、言葉も越えて、熱気あふれる討論を繰り広げました。
またアグロ(バイオ)燃料が食糧危機の原因になっており、少数の多国籍企業が農産物市場を支配し、利益を独占する体制を作ったうえで、「機械に食糧を食べさせている」と厳しく批判しました。
気候変動について、「単なる気候の変化ではなく、気候の危機である」と提言。先進工業国が、地球温暖化を引き起こしてきたこれまでの工業や消費の仕方を変えずに、排出量取引によって、発展途上国に先進国のやり方を押し付けようとしていることに対して、「真の解決策にはならない」と批判しました。
そして食糧危機と気候危機の解決は、食糧主権という立場に立って、小規模農民、家族農業によってなされるべきと発言。「今、日本の皆さんは産直運動をもっと広く、世界に説明すべき時です。新しい世界を一緒につくっていきましょう」と力強く呼びかけました。
カナダのイネケ・ブーイさんは、有機農業を取り入れ、乳製品の加工や地域での青年農業者支援の取り組みを報告。バスク(現在、スペイン領に併合)のイラッツェ・アリオラさんは、ヨーロッパで進む新自由主義的な政策によって、小規模農家が十年前の半分に減ってしまったことを報告しました。韓国のナム・スンミンさんは、アメリカ産牛肉の輸入自由化反対の四カ月にわたるたたかいを力強く報告しました。
バングラデシュのバドラル・アラムさんは、地球温暖化によって海水面が上昇し、将来、バングラデシュの三分の一が水没するとの科学者の予測を紹介。「科学者は温暖化に“適応”すべしと言う。しかし世界が今やらなければならないのは、温暖化を止めることだ」と述べ、温暖化を引き起こした先進工業国は責任を果たすよう求めました。
インドネシアのムハンマド・イクワンさんは、アグロ燃料について、「食糧を人間と自動車に争わせるもので、間違った解決策だ」と厳しく批判。一トンのパーム油を作るのに一・五トンの燃料が必要だと紹介しつつ、アグロ燃料によって利益を得るのは多国籍企業だけだと訴えました。
食健連事務局長の坂口正明さんは、まとめで「食糧危機も気候危機も、G8諸国が進める新自由主義の方向に、解決策はない。私たちには食糧主権がある。産直や地域での取り組みと、政策を変える取り組みを融合させて取り組んでいこう」と呼びかけました。
[2008年7月]
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