一貫して危険性を追求してきた新聞「農民」政府は輸入依存の食料政策を転換せよ(3/3)特集 中国毒ギョーザ事件の深層をさぐる/ (2/3) / (3/3)
ジェイティフーズという会社食品扱う資格なし責任大きい準国営企業昨年六月から天洋食品の製品に対するクレームが寄せられ、十二月二十九日には命にかかわる重篤な被害が発生したのに、なんの手もうたず、次々に被害を発生させた毒ギョーザ輸入企業。なかでもジェイティフーズの責任は格段に重いといわなければなりません。ジェイティフーズは八五年に民営化された日本たばこ産業(JT)の一〇〇%子会社。JTの大株主は財務大臣で、同社株の五〇・〇二%を所有しています。さらに同社の会長や副社長など三人は旧大蔵省の天下り。いわば「準国営企業」です。 世界的なたばこ規制のなかで、飲料と食品に手を伸ばすことがジェイティフーズ設立の目的でした。しかし、JTはしょせん“たばこ屋”。食品を製造・販売するノウハウも、食品企業に求められる責任感もなく、金にあかせて既存の食品企業を買収して売り上げを伸ばしてきただけ。 さらに売り上げを伸ばそうと、中国に子会社五社を擁する冷凍食品大手の加ト吉を買収し、日清食品を統合して国内最大の冷凍食品企業にのしあがろうとしていた矢先に事件が起きました。加ト吉買収はすでに終わっていますが、日清食品側はジェイティフーズに不信感をつのらせ、統合計画は破談に。 日清食品の安藤宏基社長は「普通、食品会社で中毒事件を起こしたら即座に対応する」「安全の考え方に対する違いがある」とJT側を批判。“食品企業の資格なし”と言っているに等しい批判です。日清が中国本土に乾燥野菜などを生産する子会社を五社持ち、お世辞にも「健康的」とはいえない企業であることは、この際、さておくとして。 「準国営企業」が出来合いの企業を買収し、食品企業としての実態をそなえずに、煙かバブル(泡)をつかむように国内最大の冷凍食品企業にのしあがろうとする――。ある意味で、起こるべくして起きたともいえます。 福田首相は事件に便乗するかのように、新官庁づくりにハッパをかけていますが、その前に、最大株主としての責任を果たすべきです。
やっぱり牛丼に中国米疾風怒とう。毒ギョーザ事件をめぐって、次々に肝が冷えるような事実が明らかになっています。牛丼チェーン二位の松屋フーズが、昨年秋まで中国米をブレンドしていたと明らかにしたのも、その一つ。「朝日」(二月二日付)によると――。 「ここ数年、中国製品の品質問題が表面化していたことから、『脱中国』を進めてきた。昨秋、中国米とのブレンドから純国産米に転換。豚肉もデンマーク産に変えた」――要するに、昨年秋までは米も豚肉も中国産を使っていたということ。しかし「タマネギなど中国産ぬきには営業は成り立たない」が、松屋の弁。 一方、かねてから外米の使用がウワサされてきた牛丼業界最大手は、黙して語らず。かりに潔白であるのならば(その可能性は薄いが)、この際、明らかにしたほうがいいのでは?
(新聞「農民」2008.2.25付)
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[2008年2月]
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