食糧主権を旗印に
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「地球的規模での大きなうねりを感じた」「農民連パワーが結集され、たいへん力強い気持ちになった」と全国から集まった参加者。熱気にあふれた農民連第17回大会が1月15〜17日、東京・大田区産業プラザで開かれました。
佐々木健三会長はあいさつ(2面)で、教育基本法の改悪を強行し、さらに憲法改悪を参院選の公約に掲げる安倍内閣を厳しく批判。これとのたたかいを呼びかけるとともに、病気で収穫できないリンゴ農家を力を合わせて助けた身近な経験を紹介し、地域の生産を守る農民連のかけがえのない役割を強調しました。
「WTO・FTAから食糧主権へ」と題して補足報告を行った真嶋良孝副会長は、憲法改悪や愛国心教育、労働法制の改悪、消費税増税などと並んで、日米EPAを含むWTO・FTAの推進をうたう経団連の「御手洗ビジョン」を「一部の多国籍企業の利益のみを代弁する手前勝手で危険な構想だ」と厳しく批判。さらに、この十五年間で三回も干ばつで米麦が大減収になったオーストラリア農業のデータを示し、「こういう生産不安定な国に日本の食糧安全保障を任せていいのか」と、同国とのFTA交渉の中止を要求しました。
品目横断対策とのたたかいでは、北海道の山川秀正さんが発言。「同対策のモデルといわれる十勝地方でも農業が続けられなくなり、自給率向上にもつながらない。一人の離農者も出さないというスタンスで中止を求めていく」と話しました。
滋賀の北村富生さんは、青年が積極的に農作業に参加するようになった営農組合のとりくみとともに、自治体に働きかけて農地・水・環境対策の要件から減反を除外させたことを紹介。また、大分・下郷農協の横山金也組合長は「農民連を強くすることなくして農協つぶしの攻撃をはね返すことはできない」と訴え、大阪の西野恒次郎さんは府独自の農業振興条例づくりについて報告し、「今年は府農業にとって正念場の年。全力でたたかう」と決意を述べました。
パワフルな女性の発言も目立ちました。群馬の木村君江さんは「自民党、民主党は根も幹も同じ。自民党という枝葉が日なたで、民主党が日陰なだけ。今年の参院選では二大政党論を打破して、私たち農家の暮らしを守りたい」ときっぱり。また、岩手の久保田みき子さんは農村女性の知恵を集めた加工交流会の様子を紹介し、鹿児島の松山文子さんは「女性部が元気だからこそ、直売所『薩摩路』の売り上げが伸びている」と語りました。
ものづくりでは、新潟の準産直米や福島の直売所「産直カフェ」のとりくみが紹介され、秋田の小林秀彦さんは地元で発展しているそばづくりについて報告。山形の菅井巌さんは、百を超える学校・保育園に給食米を届けている活動について発言し、「“日本人の胃袋”を取り戻す大運動を起こしたい」と述べました。
青年では、さまざまな国際活動に参加している杵塚歩さんが「農民連やビア・カンペシーナの強さは人間的なつながり」だと話し、千葉で農業研修している佐藤真平さんは研修を通じて感じたことを率直に発言。一方、最高齢の大会参加者、野本家六さん(87)は自らの戦争体験を語り、平和の尊さを訴えました。
組織づくりでは、三年連続で新聞「農民」の読者現勢を増やしている鹿児島県連の丸野武人さんが発言し、「農民連の方針こそ、農業再生の本道だ」と強調。また、三年で会員を五倍以上にした奈良県連・北和センターの森口いち代さんは「羅針盤は会員の要求」だと、きっぱり述べました。
大会は最後に、三十人の新常任委員を選出。佐々木会長は今大会で勇退し、新会長に白石淳一さん(北海道連委員長)を選出しました。(大会報告は次号で紹介します)
[2007年1月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
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