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自然と人にやさしいお茶づくりに情熱込め鹿児島・知覧町 宮原千草さん宮原千草さん(49)は、鹿児島県知覧町でお茶づくりをしています。視界がよいときには開聞岳がくっきりと望める、すばらしい景観のなかに広がる茶園。「私は除草剤をいっさい使いません。畝と畝の間に枯れ草をびっしり敷くと雑草が生えにくくなり、またたい肥がわりにもなります。表土の肥料分が流れるのを防ぐ」のだそうです。さらに、草の間の炭を見せて、「木炭はドラム缶を改造して自分で焼いています。炭を施すことで土壌改良に役立ち、肥料を長持ちさせる優れものですよ」と説明してくれました。
農薬を使わずそもそも無農薬、有機栽培に挑戦するきっかけは、一九九九年に町の農村女性海外研修の一員としてドイツやフランスを視察し、“自然にやさしい農法が日本とは大違いだ”と強い衝撃を受けたこと。「日本の農業は規模を大きくすることだけが求められ、農薬や機械化に頼らざるをえなくなっている」と語気を強めます。「私は生ゴミもすべて肥料に還元するし、雑草は燃やしてしまわずに肥料袋などに入れて畑の隅に逆さまにしておきます。そうすると肥料になるし、ヤギや烏骨鶏(うこっけい)のエサにもなります」と、自然にやさしい農法へのこだわりを話してくれました。
自宅で即売会茶園の隅には、ニンニク、ツワブキ、ラッキョウ、コンニャクなども植えられていて、農地の有効利用にも知恵を働かせています。七十アールほどの茶園を、茶摘み時期以外は一人で管理。「夏場は、朝五時半から十時までがんばり、午後は三時ごろから明るいときは八時前まで畑にいます。休憩のときは、好きな琴や三味線の練習をしています」と、お茶づくりにうちこむ情熱をにじませます。「毎月一回、自宅で即売会を開いています。お茶だけでなく旬の農産物や手作りのこんにゃくなどを並べて」と話す笑顔が印象的でした。 (鹿児島県農民連 丸野武人)
(新聞「農民」2006.5.15付)
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[2006年5月]
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