「高い栄養価」は大間違い県内産牛乳へ切り替え広島 20年がかりの運動実る
広島県広島市は「豊かな保育をすすめる会」を中心に二十年がかりの運動で、九七年に脱脂粉乳から県内産の牛乳への切替えを実現させました。 鼻をつまんで脱脂粉乳を無理やり飲み、吐いてしまう子。本物の牛乳も嫌いになる子……。「なぜこの時代に脱脂粉乳なのか」――署名を集め、市議会に請願すること六回。しかし市は長い間、(1)栄養がある(2)安い(3)保存がきく、の三点を理由にかたくなな姿勢を変えませんでした。 「子どもの食を守れなくて、保育料の問題も待機児童の問題も解決できない」との思いから、保育運動の焦点を「脱脂粉乳を牛乳に」の一本に絞ったのが九三年。九三・九四年の二年間で集めた署名は、のべ十万筆にものぼりました。 子どもと栄養について学んだり、広島県酪農協の酪農家を学習会に招いたりして、新たな協力も生まれ、学習が大きな力になっていきました。 実際に脱脂粉乳を飲んでいる公立保育園の保護者会にも実態を知らせ、九四年には市内の公立園八十七園のうち、六十四園の保護者会が請願書を提出する運動に発展。そして九七年、市はとうとう牛乳への切り替えを決定したのです。
しかし、そもそも脱脂粉乳とはどういう物か?広島市の「豊かな保育をすすめる会」では「噂話でなく、この目で確かめたい」と、輸入先のニュージーランドを視察(九五年)。ニュージーランドでは、脱脂粉乳は料理や菓子の材料に使われるか、子牛のエサになるだけで人間の子どもの飲み物ではありませんでした。しかも脱脂粉乳の製造業者には「(子どもに)脱脂粉乳を飲ませるか、牛乳を飲ませるかは、ポリシーの問題だ」とまで言われたそうです。 また、ちまたでは「脱脂粉乳はカルシウムなど栄養価が高く、脂肪分が低いので良い」という“神話”がまかり通っています。ところが児童育成協会作成のグラフを見ても、脱脂粉乳と牛乳のカルシウムの差は、チリメンジャコで補える程度しかありません。しかもビタミンA、D、E、Kなど脂肪に溶ける栄養分が脱脂工程で奪われてしまうのです。広島の運動の中では、脱脂粉乳の公立保育園と、牛乳の私立保育園の献立比較調査も行いました。その結果、脱脂粉乳の食品としてのバランスの崩れから(カルシウムが突出)、かえって品数が減り、献立が貧相になることが明らかになっています。
12・9食と農を守る中央総行動主催=全国食健連・農民連国民の主食を守れ、米改革では農民の声を聞け、FTAで農産物自由化するな、セーフガード発動せよ、農産物の価格を保障し農業守れ
11時30分〜 農水省正門前集合。大衆要請行動 米の減反計画が決定直後であり、予算編成の重要な時期です。全国でのグリーンウエーブのたたかいを結集し全力で成功させよう。
(新聞「農民」2003.12.1付)
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[2003年12月]
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