対話・宣伝・署名で世論ひろげ総選挙で増税勢力を追いつめようストップ農業つぶしの消費税大増税(1/3)二ケタ税率へのアップ 免税点の引き下げ
小泉内閣は、消費税の税率二ケタへのアップをはじめとする農家・国民への庶民大増税と、年金保険料の大幅値上げなど年金大改悪をねらっています。農民連はこの秋、「米改革」に対するたたかいと平行して、消費税改悪をストップするために対話・宣伝・署名(別掲)を広げ、総選挙で増税勢力を追いつめるために農村で世論と運動を広げようと呼びかけています。顧問税理士の浦野広明さん(立正大学法学部教授)に、消費税をめぐる問題やたたかいの展望について寄稿してもらいました。
税率アップあからさまに政府税調(税調)の実質的な事務局は財務省主税局であり、税調が発表する中期答申をはじめとする各種答申は、政府が進めようとする税制改定の方向を示すものです。 税調は消費税について「国民の理解を得て、二桁の税率に引き上げる必要」があり、「所得に対する逆進性の問題については、消費税という一税目のみを取り上げて議論すべきものではない」と述べて、税率アップをあからさまに表明しています(〇三年六月中期答申)。 塩川正十郎財務相(当時)も、消費税の引き上げを、〇六年度にも実施すべきだと述べています。
農民が身銭を切って納税消費税は、税を負担する能力に関係なく、消費一般を対象に広く負担を求める税で、原則として製造、卸、小売サービスの各段階で課されます。 政府は、消費税の税額は、販売する物品やサービスの価格に上乗せ転嫁され、最終的に消費者が負担するといいますが、実際には上乗せ転嫁できるかどうかは力関係で決まるので、力の弱い中小・零細業者や農民は転嫁できません。 転嫁できない事業者や農民は、もうけがなくても身銭をきって消費税を納税することになります。この不況下で身銭をきる余裕などなく、多くの中小・零細事業者や農民は消費税の滞納を余儀なくされているのが実態です。
免税点引き下げは死活問題今年度の税制改定によって、小規模事業者の納税義務の最低限度、いわゆる免税点が、三千万円から一千万円に引き下げられました。つまり、一日の売り上げが平均して三万円強しかない中小・零細事業者や農民も、消費税を納めなければならなくなったのです。 消費税の申告は煩雑な事務負担がつきまといます。零細であればあるほど価格に上乗せ転嫁することが困難になります。免税点の引き下げは、中小・零細事業者や農民にとっては死活問題です。 新たに課税事業者になる農民など個人事業者の場合、改定法の適用は、〇五年分から。課税事業者に該当するか否かは、基準期間(二年前)の課税売上で判断します。つまり今年一月一日から十二月三十一日までの課税売上が一千万円を超えると、〇五年分についての消費税を、〇六年三月三十一日までに申告しなければなりません。
国会で“凍結法”作らせる運動を消費税の導入以後、すさまじい勢いで、税の取り方の基本原則である応能負担原則がないがしろにされています。庶民を大切にする税財政の確立が求められます。 消費税廃止各界連絡会は、「消費税大増税反対」の一点で、広範な運動を行うとしています。大増税を許さないことは、「消費税法の改正(平成十五年に公布された法律四三号)によって平成十六年四月一日以後に開始する課税期間について適用される項目については、同法の規定にかかわらず、当分の間、実施しない」(租税特別措置法七一条の一七)という法律を、国会で作らせる運動です。
“06年度以降に必ず”塩川前財相時期を明言「首相は任期中は消費税を上げないと言っているが、将来やらないとは言っていない。(次の任期が終わった後の)○七年度に上げるとすれば、○六年度には法律の手当てが必要だ」(5月25日、財政制度等審議会の地方公聴会) 「高齢化が進展し、二〇〇六年度以降には必ず上げざるを得ない」(8月23日、神戸市での税調・対話集会と記者会見)
(新聞「農民」2003.9.29付)
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[2003年9月]
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