「亡国」の米つぶしに抗して、断固として米をつくろう
「米改革」と関税の大幅引き下げは、日本の農業と米づくりに重大な打撃をもたらすものであり、絶対に許せません。 政府の米に対する責任放棄や、「余り米に値なし」と過剰米一俵三千円の押しつけ、大幅に後退する助成金など「米改革」の内容をみんなに知らせ、いまこそ「米・農業つぶしを許さない」運動を地域から大きく広げるときです。 また、「米改革」が農家と地域農業に何をもたらすのか、地域農業を守り発展させるためにどうするかみんなで集まって話し合うことが今ほど大切な時はありません。
あきらめれば、ますます輸入米が増える―「米を作ってこそ展望が開ける」農家が米の生産から撤退すれば、ますます輸入が増えて農業がつぶされます。攻撃に抗して米を作ることこそ、経営を守り、稲作を建て直す道です。そのためには、米を消費者に届ける「ルート」をもつことです。 政府の調査でも、「外米は買わない」という人が国民の九一%を占め、ミニマム・アクセス米が九十五万トンも積み上がっています。多数の国民の声は、「安全・安心・信頼できる国産米を」です。こうした国民の存在は、私たちが「米改革」をはね返して米を作り続ける最も確かな支えです。 農民連は、四年前から、産地や生産者の顔の見える米を卸、小売を通して消費者に届ける「準産直米」の運動に取り組み、昨年産は全国の産地から東京、愛知、大阪などの卸を通じて米屋さんに届けられました。 減反に参加する、しないにかかわらず、どの農家にとってもルート作りが大事になっている今、「準産直米」にみんなで参加することが展望を切り開くために大切ではないでしょうか。
「米つぶし」は「米屋つぶし」!共に力合わせてはね返そう「食糧法」の改悪は、米卸と零細な「米屋つぶし」です。米屋さんは、地域に根ざした配達や備蓄機能など、ライフエリアを支え、対面販売で全国のさまざまな産地、銘柄の米を消費者に伝える大切な役割を果たしています。 最近、米屋さんの全国組織である「日米連」は米の品質を見極め、販売力のある米屋さんを育てるために「お米マイスター」制度をはじめました。米屋さんは、対面販売の特色を生かして品質本位、産地直結型の販売で大手に立ち向かおうと懸命に頑張っています。そして、農民連の「準産直米」の取り組みに期待を寄せています。 農民連は、「卸は産地の代理店、小売は農家の直売所」と位置づけ、生産者側の全国的なネットワークの力を生かし、さらに提携を強めるために全力をあげています。
安全でおいしい、顔の見える米を届ける「準産直米」の運動にあなたも参加しませんか農民連の米は安全な米、専門店向けの米として期待されています。みんなで話し合い、協力しあって米屋さんが消費者にアピールしやすい、安全でおいしい米作りの努力を強め、栽培過程の記録も進めましょう。 米屋さんは年間を通した供給を希望していますが、仲間が足りなくてこたえきれていません。農家のみなさんが農民連に入り、「準産直米」の運動に参加することを心から呼びかけます。
野菜や果樹など、地域に適した作物をどんどん作って消費者に届けよう米だけでなく、安全・安心・信頼できる国産のあらゆる農産物を国民は求めています。学校給食に地元の野菜や果物、地粉を使ったパンやめん類など「地産地消」の取り組みも盛んです。どこでも、ものが不足して十分に届けられないほど消費者の要求は切実です。 こうした期待に応えるためには専業農家のがんばりとともに、長年、技術を培ってきた高齢者、消費者の台所感覚に敏感で、実際の生産の担い手である女性が力を発揮することなしに生産を広げることはできません。農村に進出した企業の撤退や倒産などで兼業農家も大変です。こんなとき、農地を遊ばせておくことほどもったいないことはありません。一緒に農業でがんばりませんか。 農家ががんばってこそ地域も元気になります。 「亡国農政」に抗して米を作り、地域に適した自慢できる多様な作物を生産し、消費者に届ける運動に参加することを呼びかけます。
(新聞「農民」2003.4.7付)
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[2003年4月]
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