2年後には1000万円の売り上げで15万円の税金が!春の運動でストップ血も涙もない小泉内閣の消費税の大増税、免税点の引き下げ
財界や自民党、公明党から消費税増税の大合唱年明けに日本経団連が消費税率の一六%への引き上げを提言し、自民党、公明党からも消費税増税の大合唱が起きています。小泉首相も「広く薄く(負担を求める)」と述べて、消費税増税を税制改正の基本にすえる考えを示しました。 所得のまったくない子どもや、わずかな年金で暮らしているお年寄りからも情け容赦なく税金をむしりとる消費税。しかし大企業にとって、これほど都合のいい制度はありません。増税はすべて国民に転嫁される一方で、消費税導入後の十年間で企業が納める法人税は約十九兆円から十二兆円に激減。大金持ちの税金を安くする所得税の最高税率の引き下げも進みました。 だまっていては庶民の生活はズタズタにされ、長引く不況の出口も遠のくばかり。今こそ「消費税ノー」の大きな声をあげるときです。
免税点の引き下げで、あなたも2年後には消費税課税業者にさらに、小泉「税制改革」は、消費税の免税点を三千万円以下から一千万円以下に引き下げて、わずかな売り上げしかない農家や中小業者からも消費税をとりたてようとしています。 輸入農産物の急増や農畜産物の買いたたきによって農家経営は年々厳しさを増し、夫婦で一千万円の収入を得るのは容易ではありません。かりに一千万円を超えたとしても経費を差し引けば、所得は三百万円か、それ以下というのが一般 的なフトコロ具合です。そこからさらに消費税を納めなければならなくなります(表1)。
事務負担も重くのしかかることに!さらに課税業者になれば、記帳や領収書の保存が法律で義務づけられ、同じ経費科目でも課税か非課税か仕分けして処理しなければならなくなります。 そして記帳が“不備”と税務署が判断すれば、生産資材の購入に際して支払った消費税を控除する「仕入税額控除」の“否認”処分が行われ、売り上げの五%が全額消費税として追徴されることに。税務調査も、所得税と消費税の同時調査が増え、両面から強権的な追及が行われることになります。
「税制改革」とのたたかいは、これからが本番「税制改革」は、小泉首相の唱える「構造改革」第二弾の中心的なもので、今年から始まり、三年後の〇六年に完了をめざしています。その基本的な方向は、税制調査会の答申(〇二年六月)で方向づけられています。その中味は、消費税率の大幅引き上げ、簡易課税制度の廃止、免税点のさらなる引き下げなどを含めた特例措置の縮小・廃止。さらに所得税の諸控除の縮減、廃止などの庶民大増税です。
「痛み」の先には何がある?「景気をなんとかしてほしい」「老後が不安だ」「農業の先が見えない」など、国民の願いは切実です。しかし政府は、こうした願いに背を向けて社会保障の改悪や庶民大増税で二十兆円を超える負担増をねらっています(表2)。
政府は、消費税率を三%から五%に引き上げるとき「高齢化社会に備える」と言っていたはず。ところがお年寄り本人が負担する医療費は年々引き上げられ、昨年十月、ついに定額制を廃止して一〜二割を負担する制度に改悪。年金も、支給開始年齢を引き上げて給付額の削減を進めてきました。これで、なにが「高齢化社会への備え」でしょうか! 小泉首相は、今また「痛みを乗り越えた先には、新しい日本がある」とウソぶいています。しかしいま本当に必要なことは、不況に追い打ちをかける大増税ではなく、減税と福祉の充実で家計を温め、老後の不安を解消し、国民の購買力を高めることです。
取るべきところから取り、ムダ使いを中止すれば財源はある小泉内閣は、庶民増税を進める一方で、大企業には、あの手この手の税金逃れの特例をもうけています。たとえば、一兆円を超える利益をあげているトヨタ自動車は、消費税の輸出戻し税だけでも千五百億円の税金をまけてもらっています。 取るべきところから取り、「土建国家」と呼ばれるようなムダな公共事業、「アメリカの属国」と諸外国からヤユされるアメリカ追随の軍事費を削れば、福祉の充実と減税の財源を生み出すことができます(表3)。
世論の力で増税ストップを! 選挙で悪政に審判税金をどこから徴収し、どう使うかは、政治の根本問題です。 列島が騒然となるような世論と運動で、庶民大増税と税金のムダ使いをやめさせ、「ムネオハウス」に象徴される汚職・腐敗の政治を転換しましょう。 いっせい地方選挙や、予想される国会の解散・総選挙は、「小泉改革ノー」の意思をつきつけるチャンスです。農村から「庶民大増税やめろ」の声をあげ、増税にストップをかけましょう。
コスト割れでもとられる消費税
消費税の免税点の引き下げで、十四万二千戸の農家が(農業センサス)、平均二十五万円の税負担になると予想されます(日本農業新聞)。 増税を推進する勢力は免税点引き下げの理由を「売り上げの少ない農家や中小業者は消費税を納めていない。不公平だ」と宣伝していますが、これは実態とかけ離れた暴論です。 農家は一般的に自分が作った農産物に自分で値段をつけることができず、コスト以下の販売価格もめずらしくありません。農作業機械や肥料などの生産資材を購入するときに支払った消費税を、販売価格に転嫁できていないのが実態です。
(新聞「農民」2003.2.10付)
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[2003年2月]
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