インタビュー宮城県農協中央会 大堀 哲会長の話
意気あがる総決起大会を成功させた宮城県農協中央会の大堀哲会長に、宮城農民連の鈴木弥弘事務局長とともに話を聞きました。十五分のアポイントにもかかわらず、一時間近くもインタビューに応じてくれました。 「食と農の再生プラン」と、生産調整に関する研究会の「中間取りまとめ」が実行されれば、食料自給率はさらに低下してしまうでしょう。農業者は再生産できなくなり、消費者はますます食料を海外に依存せざるをえなくなります。国家百年の大計に立って、断じて容認できません。 こんな政策を恥ずかしげもなく打ち出してきたということは、健やかで安心できる国民の生活を構築しようという意思が、その人たちにないということです。小泉内閣の基本姿勢は、「国はできるだけ金を出しませんよ」ということですが、「中間取りまとめ」もこれに沿ったもので、日本人の主食である米すらも市場原理にまかせて、国はそこから手を引こうとしています。 “転作するも、しないも自由ですよ。だけど作りたいだけ作れば、米価は暴落しますよ。過剰米は自らの責任で処理しなさい。その結果、つぶれてしまっても仕方ありませんよ”こういう「中間取りまとめ」の発想は、無責任きわまりないと思います。 食料・農業・農村基本法は、「自給率の向上」をうたっています。それを達成するには、再生産できる価格を農業者が受け取れなければなりません。国は、需給バランスをとること、主食たる米を自国でまかなうんだという確固とした考えを持つことが必要です。 ところが「中間取りまとめ」は、“売れる米”を作れという。“売れる米”というのは結局、安い米ですよ。米を安売り競争にさらす。こんなに危険なことはありません。今米を作る後継者がいないからといって、農地を株式会社にまかせてしまえという考え方も短絡的だと批判したい。 国民が主食として食べるものに、国が金を出して安定をはかるのは当然のことではないでしょうか。そうではないという人とは、とことん話し合いたい。日本農業の復権をかちとるには、消費者と連携をとりながら、信頼を深め合っていくことが必要です。この運動をさらに大きく広げたいと思っています。
(新聞「農民」2002.9.2・9付)
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[2002年9月]
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