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連載/これだけは知っておきたい介護保険(3)

介護サービスを受けるには

10月1日から申請受付開始


85項目の「要介護認定」聞き取り調査

 十月一日から介護サービスを受けるための申請受け付けが全国の市区町村で始まります。介護サービスを受けるには、「要介護認定」という審査にパスしなければなりません。そのためには、まず本人や家族が市町村の窓口に申し込むと、調査員や介護支援専門員(ケアマネージャー)が聞き取り調査にきます。

 聞き取り調査では、「一人で立ち上がるか」「食事ができるか」など、身体の機能を中心に八十五項目の質問事項があります。「できる」「できない」の単純なものです。調査員が判断できない場合は、「特記事項」に記入します。

 この調査をもとに「要介護認定審査」が行われます。要介護認定審査は、全国共通の基準コンピューター処理された「一次判定」と、専門家による介護認定審査会(各市町村または広域連合ごとに設置)の「二次判定」によって行われます。

 一次判定では、「一日の介護にかかる時間(要介護認定等基準時間)」を算定し、その長さによって介護の必要度(要介護度)を判定します(表)。二次判定では、聞き取り調査の「特記事項」やかかりつけ医師の「意見書」をあわせて審査を行い、最終決定をします。「要支援」「要介護1〜5」に認定された人は、それぞれに応じた介護サービスが受けられます。「自立」と判定されると、サービスは受けられません。

高齢者の実情にあわせた審査を

 認定の有効期間は、半年です。それを過ぎると改めて申請する必要があります。認定の結果に納得できなければ、都道府県ごとに設置される「介護保険審査会」に不服審査を申し立てることができます。

 厚相の諮問機関である医療保険福祉審議会は「要介護認定の一次判定には、データの制約などから、一定の限界があることはさけられない以上、介護認定審査会における審査判定(二次判定)の役割は重要である」と指摘しています。コンピューター依存の認定基準を改善させ、高齢者の実態にあわせた審査が求められています。(つづく

要介護認定の基準
要介護度身体の状況介護に必要な時間
(1日あたり、推計)
要支援
(虚弱)
日常生活を送る能力は基本的にあるが、歩行などが不安定。浴槽の出入りなどに一部介助が必要25分以上30分未満
(またはリハビリなどに必要な時間が10分以上)
要介護1
(軽度)
立ち上がるときや歩行が不安定。排せつや入浴などに一部介助が必要30分以上50分未満
要介護2
(中度)
一人で立ち上がったり歩けないことが多い。排せつや入浴などに、一部または全介助が必要50分以上70分未満
要介護3
(重度)
一人で立ち上がったり歩いたりできない。排せつや入浴などに全介助が必要70分以上90分未満
要介護4
(最重度)
日常生活を送る能力がかなり低下。入浴や着替えの全介助、食事のときの一部介助などが必要90分以上110分未満
要介護5
(過酷な介護をようする)
生活全般にわたって全面的な介助が必要。意思の伝達がほとんどできない場合が多い110分以上

(新聞「農民」1999.9.27付)
ライン

1999年9月

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