北海道・東北ワイド特集(2)青 森
りんご暴落対策県の価格安定事業が発足農民連の養成運動が実る青森県は、今年産から「生食用りんご価格安定事業」をスタートさせました。この制度は平成九年産の大暴落をきっかけに、生産者団体などから要望が出されて実現したものです。 事業内容は、県(五〇%)、市町村(一五%)、生産者(三五%)が基金(交付準備金)を積み立て、生産者が市場へ委託販売したりんごの市場平均価格を下回った場合に、事前に予約した数量について、補てん金を生産者に支払うというものです。 交付基準金の生産者負担と補てん金を、原箱(二十キロ)あたりでみると、県外市場は生産者二百十円の負担で、補てんは最高六百円。県内市場の場合は百四十円の負担で最高四百円の補てんとなります。今年の対象数量は、県全体の生産量の約五分の一にあたる十万トン。また、保障基準価格は県外市場の場合、一キロあたり二六〇・二八円。県内市場は一四二・二八円にきまりました。 青森県は、この制度をつくった目的を「九年産のような価格下落が再び生じれば、全国の半分の生産量を占める本県のりんごが衰退していくことが懸念され、くわえて、資材・流通など関連産業にも大きな影響を与える」として、「生産者が安心してりんごを生産をしていけるよう」「りんご農家の経営安定を図る」と説明しています。 県農民連は六月、大暴落の再来に備えるというのであれば、(1)補てん対象数量を当面二十万トンにし、(2)交付準備金を百億円に引き上げ、生産者負担を一〇%に抑え、補てん最高額を千円まで引き上げる、(3)このために、県の財源の使い方を改めることや、県・市町村が一体となって国へ助成を働きかけるよう、要請しました。 今秋から「ふじ」を含む五品種のアメリカ産りんごが輸入されようとしているす。ひきつづき、この価格保障制度の中身を充実させるために運動していこうと話し合っています。
(青森県連・古川裕一/新聞「農民」1999.8.2付)
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