農業委員選挙特集(3)「有機農業で町づくり」を提案地域農業発展につくす和歌山・那賀農業委の活動和歌山大学経済学部教授 橋本 卓爾
この七月、第十七回の全国いっせい農業委員選挙が行われますが、今回の選挙はことのほか重要です。 そこでその一助にしていただくために私がささやかながらお手伝いしている和歌山県那賀町農業委員会の取り組みを簡単に紹介しましょう。
農業委員会は、委員の大半が公選制で選ばれるいわば「農民の議会」です。だから、農民の声を結集・代弁し、与えられ権限を有効に行使するならば、農業つぶしから農家・農地を守り、地域の農業を振興する大きな力となります。那賀町農業委員会は、そうした委員会の一つです。
同委員会は一九九四年に「有機農業でまちづくりを」という提案を町に出しました。この提案は町議会でも支持され、町をあげて有機農業に取り組むことを盛り込んだ宣言が採択されました。九七年には有機農業を行う実践グループ(二十六人)が結成され、ホウレンソウ、ダイコン、小松菜などの栽培が始まりました。同年七月には農業委員会の呼びかけで「有機のまちづくりシンポ」が開かれ、三百人以上が参加しました。
この那賀町の事例が示すように、農業委員会が地域の農業に愛着と責任をもって活動するならば大きな力を発揮することができます。 橋本卓爾(はしもと・たくじ)氏の略歴 一九四三年広島県生まれ、大阪市立大学大学院経済学研究科博士課程修了、大阪府農業会議企画調査室長、南九州大学園芸学部教授などを経て、現職、農学博士。
(新聞「農民」1999.6.14付)
|
農民運動全国連合会(略称:農民連)
本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224
Copyright(c)1998-1999, 農民運動全国連合会